レイヤーを高度設定に活用する

この記事は、先に公開した「橋脚とレイヤーの微妙な関係」の実践編に当たるものとご理解ください。

<Land-use Priority全景>

 

 

左画面写真では、本稿に直接関係しないストラクチャを非表示にしてます。

"Land-use Priority"は、北近畿地方に特有の小さな山が連なる間を縫うように続く狭隘地をモデルにした関係上、高度のダイナミックな変化が欠かせないレイアウトとなりました。このようなケースでは、レイヤー機能を上手く使うことで、随分楽をすることができます。

まずは、高度変化を伴うレールの敷設について見ていきましょう。

今回の作例では、あまり「ダイナミックな高度変化」を感じることができないんですが・・・

 

<左がレールレイヤー、右が橋脚レイヤー>

上画面写真をご覧いただければわかるように、レールとそれを支える橋脚は完全に別レイヤーに分けています。「橋脚とレイヤーの微妙な関係」の繰り返しになりますが、こうすることにより、レールレイヤーを全選択して「造成」をすれば何度でもレール周りの築堤を簡単に整備することができます。

また、「橋脚とレイヤーの微妙な関係」では触れませんでしたが、現行レイアウターの問題点のひとつとして「部品と異なり地形の高度設定はコピー&ペーストできない」というものがあります。この結果、地形変化を伴うストラクチャを一度配置してしまうと、おいそれとレイアウト内での場所を移動できない、という問題に直面します。よほど計画的にレイアウト作成を進めないと、限られたレイアウト面積内に作りたいシーンを収めることは難しく、この制約は時にレイアウト製作継続に致命的なモチベーションの低下をもたらします。

この仕様(地形のコピー&ペーストができない)は、是非ともVRM4で改善して欲しいなぁ・・・。

しかし、I/F設計が難しいだろーな、これ以上「ユーザーを選んでしまうソフト」にはしたくないだろーし。

レール、橋脚を独立したレイヤーで管理することにより、この問題が解決できます。調子に乗ってレールを延伸していったらレイアウト端まで来てしまった。でも、このまま延伸したい・・・。そんなときは、レイヤーを全選択してドラッグ&ドロップで移動させ、改めて造成をしてやれば、簡単に地形ごとレールを動かすことができるからです。

ちなみに、上画面写真左のレールは画面のほぼ中央で断絶しています。これは、この部分に川(青いレイヤー)を渡河する鉄橋がかかっているからです。鉄橋は写真左の橋脚レイヤーに含まれます。鉄橋をレールのレイヤーに含ませていると、造成するたびに鉄橋の下が埋まってしまうため、このような措置をとっています。これもレイヤーの活用の1つの在り方と言えるでしょう。

で、上の続きなんですが。

PC初心者ユーザーでもそれなりに格好のいいレイアウトが実現できるよう、マイクロエース・ジオラマレールみたいな感じに、複数の部品が含まれるテンプレートを配置する機能を持たせるというのも面白いかも。

で、テンプレートをユーザーが配布できるようにすれば、単に「玄人が作ったレイアウトで遊ぶ」から、「玄人が作ったテンプレートで素人でもそれなりのレイアウトが作れる」ってな感じでユーザー層を広げれるんじゃないか・・・と思ってるんですが。いかがですか、I.MAGiC様?

 

<左が道路レイヤー、右は・・・?>

 

 

 

本文では触れませんでしたが、左右の山地形は、中央部のレール・道路の位置が確定してから地形ツールの「平地作成」と「サンドペーパー」で作りました。

上画面写真は、レイヤーによる高度設定の応用編、といった感じです。左は道路レイヤーです。道路はレールと異なり高度設定に橋脚を使わないため一見して高度変化がわかりませんが、-20mm(川側)から30mm(画面右上)までに配置されています。

レールの場合同様に、高度変化を伴う道路も独立レイヤーにまとめることで、レイアウト作成途上での位置変更が容易になるという点で有利になるのは言うまでもありません。

さて、上画面写真右の赤いレイヤーは、と言いますと、部品的には「畑A」です。が、畑Aである必然性は特にありません。面積が大きいのでたまたま使っているだけです。このレイヤーは高度100mmに設定されており、地形造成のためだけに使用したものです。レイアウト完成後は削除(実際には作品本体に干渉しないよう、レイアウト右端へ移動)しました。

このレイヤーは、道路の右側にコンクリートの土手を作るために使ったものです。地形ツールの「平地作成」でも自由に高度設定をすることはできますが、曲線配置されたレールや道路に沿った地形をうまく作るには、このような「ダミー部品」を使った造成が有効です。やはりここでも、必要に応じて簡単に移動することができる、というメリットが大きいですね。

 

 

 

 

 

ちなみに、道路横の土手は下のようなテクスチャーを貼って作りました。

3倍に拡大表示していますが、ダウンロードしてお手持ちの地面テクスチャーファイルに取り入れれば、そのままご利用いただけます。

レイヤー機能は、慣れるまでは敷居が高いですし、慣れたらなれたで「部品の種類によるレイヤー分け」についついこだわってしまい、結果的にレイアウト作成の手間を増やすだけ、という皮肉な結果を招くこともある機能ですが、上手く使えば複雑なレイアウトを簡単に作成でき、かつ、そのメンテナンスの効率も著しく向上させることができます。皆様も、是非お試しください。

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