無理矢理ポイント

まずは、"Northern Field"の1カットをご覧ください。

<問題のカット>

左写真左端にもチラッと写ってますが、本作の駅は地上駅にも関わらず高架側壁を設けてみました。というのも、冬の寒さが厳しい北海道では、このような風除け施設が吹きざらしのプラットホームには不可欠と思われたので。

次に。ghostはVRM3-5号もTOMIX追加キットも持っていないということをご理解ください。すると、上のカットが急に妙なものに見えてくるはずです。見えてきませんか?、そうですか。

何が言いたいかと申しますと、5号セットとTOMIX追加キット以外には「Yポイント」がない、ということです。然るに、上写真のキハ283はYポイントに向かって疾走中ではないか、これはどういうことだ!!、というのが今回のネタです。

で、種明かしですが。

だから5号や追加キットを買わなくても良い、という意図ではありません。念のため。

 

[追記]その後、TOMIX追加キットは購入しました。

<手品もそうだか、種を明かしてみるとつまんないことだったりする>

ちなみに、左レイアウトの右側の線路は上へ向かう本線とは「連結されていない」ことになってしまうので、列車(本作では交換待ちのキハ40)は進行できない。

あくまでも「見た目」だけの無理矢理ポイントなので、悪しからず。

ご覧の通り、15度カーブレールを重ねて配置しているだけです。

で、これだけで終わってしまうとアホみたいなので、もう少し書きます。

当然のことながらこれは「無理矢理ポイント」なので、ビュワー上でどちらへ列車が向かうかを切り替えることは出来ません。では、何をもって列車の進行方向が決まるのでしょうか。

ここで終わらなくとも、いかにも技術記事の水増しっぽくて、アホなことには変わりないんですが。

「無理矢理ポイント」は、レールの連結の仕方から大きく3つに分類することができます。すなわち・・・

 

  1. 連結が1対1になっている

  2. 連結が1対多になっている

  3. 連結が多対多になっている

 

もっとも単純な[a. 連結が1対1になっている]は、以下に示すようなケースを言います。

「ビュワー上で切替できないポイントに何の意味がある?」とのご意見もあろうと思いますが、そもそもポイントだって実運用から考えると列車番号を指定して固定的に使うのがフツーじゃないですか?

<連結が1対1、すなわち普通につないだレールを重ねただけ>

<ビュワーで見るとこんな感じ>

ここでは便宜上直線レールを重ねていますが、もちろん連結部がずれていさえすればカーブレールでも同じことができます。

この場合、当然ながら列車はつながっているレールに向かって進行します。

 

次の[b.連結が1対多になっている]は、今回"Northern Field"で使った「無理矢理Yポイント」がそれにあたりますが、ここらへんからややこしくなってきます。

<連結が1対他、すなわち1つのジョイント部に2本レールが連結されいる>

<ビュワーで見るとこんな感じ>

5号セットやTOMIX追加キットをお持ちの場合でも、そのカーブ半径はカーブレールに比して限られているわけですから、このテクニックもまんざら捨てたもんではないはずです・・・と自己弁護。

この場合、列車はどちらへ進行するのでしょうか。

上のレイアウター画面は説明の便宜上、レイヤーでレールを色分けしていますが、レイヤーによって進行方向が決まるわけではありません。実は列車は「部品番号が大きい方」に向かって進みます。

つまり、上レイアウター画面の15度カーブレールのうち、ピンク色の方が黄色のレールよりも部品番号が大きい、すなわち「後から置かれたレール」なのです。しかし、これとて究極の解答ではありません。

 

この問題の一般解を見つけるべく、最後の[c.連結が多対多になっている]を見てみましょう。かなりややこしいです。

<連結が他対他の場合/赤字は便宜上の部品番号>

<ビュワーで見るとこんな感じ>

よく考えてみると、左レイアウトは、IP495R x2 で構成するのが正しい。本当は既存部品で構成できない、対応するポイントのないカーブ半径のレールを使うべきだったか。

まぁ、説明のためのサンプルなので、気にしない、気にしない。

仮に前述の「部品番号が大きい方に列車が向かう」が正しいとすれば、レール[1][3]から来た列車はいずれも[4]へ進むことになりますが、実際にはレイヤーで色分けしたように列車は進みます。と言うことは、何かもう1つ普遍的なルールがあるはずです。

そう考えながらいろいろな組み合わせを試してみたところ、次のようなことがわかりました。

 

  1. 隣接するどのレールと連結するかの判定は、部品番号が大きいレールから順におこなわれる。

  2. 連結されるレールは、まだどのレールとの連結も決定していない連結可能性のあるレールの中で、最も部品番号が大きいものになる。

  3. 既に連結相手が決まったレールについては、新たに部品が配置されない限り連結判定はおこなわれない。

 

上のレイアウターを例に説明すると、まずルール1に従い、最初に判定がおこなわれるのはレール[4]になります。次にルール2が適用され、連結可能性のある[1]と[3]の部品番号が大きい方、すなわち[3]と連結が確定します(図の黄色い線路)。

ルール1によれば次に判定されるのはレール[3]ですが、ルール3により判定対象となりません。従って判定は[2]へ進みます。[2]にとって連結可能性があるのはやはり[1]と[3]ですが、[3]は既に[4]の連結が確定しているので、残る[1]との連結が確定します。

 

こんなテクニックが何の役に立つ?、おっしゃる向きもあるでしょうが、思いのほか「ポイント」というものはバリエーションが豊富なものでして。

たとえば、かつて名古屋市電には、幅の限られた高架下にむりやり複線を通すために、下に示すようなポイント(とは既に呼べないかも)が敷設されていたそうで。

ポイント切替の手間を省きつつ、対向車との交換を可能にする苦肉の策らしいですが。大らかな時代もあったものです。

以上のことを知っておけば、部品として存在していないポイントを「無理矢理」作り、列車の進行方向も任意に計画することが可能となります。

ちょっとアクセントとして見慣れないポイントを配したい場合や、複雑な駅構内線を設計する場合等に意外に役立つのでお試しください。

なお、ここに書いたのは実験の結果「多分こうだろーなー」と思った内容なので、実際の仕様がどうかは不明。

VRMoviesは、ここに紹介した技術情報について、読者のお手元の環境での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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