地上カメラ制御列車

"The Plow"で使用したテクニックを仮に「地上カメラ制御列車」と呼ぶことにします。

VRM3とVRM4で、地上カメラの挙動が微妙に変わったことにお気づきの方は多いと思います。以下に列挙してみましょう。

この技と菊の御紋が以前書いていた「隠し球」だったんですが、しおじ大先生の豪腕直球勝負を受けて見事に玉砕いたしました。

(1) 反応距離を任意に指定できるようになった。

(2) 列車の先頭だけではなく後尾も追跡できるようになった。

(3) 停止中の列車を無視できるようになった。

(4) 列車追跡時のカメラの向きが水平方向(左右)のみに反応するようになった。

45-50s氏による、レイアウターでの地上カメラ配置位置とビュワーでのカメラ位置のズレに関する考察も合わせてご参照あれかし。

(1)〜(3)が機能拡張であるのに対し、(4)は機能削減であるような印象を受けます。事実、拙作VRM3動画でも多用してきた「列車通過位置の真上にカメラを配置し、垂直方向(上下)に列車を追ってパンニングする」という見せ方はVRM4では出来なくなっています。

一方で、この仕様変更とスクリプトによる自動運転が、ここでいう「地上カメラ制御列車」を可能にしました。

 

地上カメラは、VRM4第1号または第2号に収録されています、念のため。

基本的な考え方は以下のような感じになります。

[1] 〔列車を追尾する〕がチェックされている場合、カメラの向きは〔反応距離〕内にいる編成のうち水平方向が最も近いものに向かう。

[2] 被写体となる編成よりもカメラに近い位置に「地上カメラ制御列車」を配置すれば、被写体編成の動きとは無関係にカメラの向きを制御することができる。

[3] もちろん、普通に被写体編成とカメラの間に「地上カメラ制御列車」を配置すると視線を遮ってしまうので、レールの高度を下げて地面よりも下を走行させる。

[4] 上掲(4)の変更により、カメラは水平方向は「地上カメラ制御列車」を追跡するが、垂直方向はカメラ自身の配置高度を維持する。

[5] 被写体編成と「地上カメラ制御列車」をそれぞれスクリプトで自動運転すれば、水平方向については被写体編成の動きとは無関係に自由にカメラの動きを制御することになる。

こういうことが出来るようになったのはハッピーなんですが、やはり「カメラの首を縦に振りたい」というニーズはあると思うので、と言うか、ボクにあるので、I.MAGiCさんにおかれてはスクリプトによる制御の追加をお願いします。あと、編成カメラのFOV制御も。

これを図示したものが下の図です。

<The Plowにおける地上カメラ制御列車>

左は説明の便宜上の略図。レイアウター画面ではないです、念のため。

図の黄色で示した編成が被写体となった「北斗星」、赤色で示した編成が「地上カメラ制御列車」です。

このレイアウトは、"FOV III"同様に真円エンドレスの中心に地上カメラを配置し、これに編成を追跡させることでサイドビューを実現しています。

異なるのは、FOV IIIではカメラが主たる被写体となったEH200それ自身を追跡しているのに対し、"The Plow"ではカメラが追跡しているのはカメラと北斗星の間を走行している地上カメラ制御列車である点です。地上カメラ制御列車自身には地面に対してマイナスの高度を設定しているため、カメラの視界にはそれが入ってはきません。が、カメラの向きを制御しているのは、被写体とは個別に制御されている地上カメラ制御列車なのです。

FOV IIIでも微妙に被写体編成の位置とカメラの向きがズレていますが、これはテンキー操作でカメラの向きを予め少し変えていたことによります。これはこれで面白い効果がでますが、任意制御はほとんど不可能です、と言うか、未だにボクにはその動作機序が理解できません。

<お召しトワイライトにおける地上カメラ制御列車>

ちなみに。

先週の時点でこの記事を書かなかったのは、「こういうテクニックを使ってるんだぜ」と主張することで、審査員を誘導していると思われたくなかったからです。

ところで、スーパーバイザー諸兄はコレに気付いたんでしょうか?

レイアウトコンテスト2005にてV4スクリプト部門賞をいただいた「お召しトワイライト」にも、同様のテクニックが組み込まれています。入換え機EF64が中間3輌を引っ張っていく場面を、作業を見守る鉄道ファンの後方から捉えたアングルがそれです。

この場合、上図の黄色で示した編成が「EF64+トワイライト客車」、赤色で示した編成が「地上カメラ制御列車」です。スクリプトで適切にコントロールしてやりさえすれば、VRM3では不可能だった「完璧に作者の意図通りに動く視線」をレイアウトを見る側に提供することが可能になります。

 

ギャラリーにて「お召しトワイライト」ののダイジェスト版を公開しています。

3カット目が問題のシーンで、よく見ると被写体であるはずの編成とカメラの動きが同期していないことがおわかりいただけると思います。これが地上カメラ制御列車の威力(なんて大袈裟なモンじゃないですが・・・)です。

例によって誰の役に立つのやらよくわからない技術情報ですが、VRM4ではこんなことも出来るのだー、的に書いてみました。やり方によっては面白い効果が期待できるので、まぁ、いろいろ試してみてください。

駅ビル設置のライブカメラ、とか。

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