ドリルはトンネルのみの為ならず

VRM3における「ドリル」とは、言い換えると「地面テクスチャに透過色を割り当てること」です。例えば平らな地面の一部にドリルを適用すると、その部分にぽっかり穴が空きます。言うまでもなくこの呼称は、この機能が主に「トンネルポータル」に穴を開けるために使われることによります。が、表題に掲げた通り、この機能はトンネルのみの為にあるわけではありません、と言うか、それはもったいないです。

 

トンネルにドリルすることすら難しい、と思う方には、混迷の度合いを増すだけのようにも思うのでこのテクニックはお奨めしません。

<ドリルの活用例:簡易設営テント>

 

ちなみに屋根部分のテクスチャは単に「真っ白」なだけです。視点を光源方向(レイアウターでいうところの左と下)の逆にもってくれば、陰影効果で勝手に質感が出ます。

上掲写真は "Maximum Speed" の木曽川鉄橋下に配置した、史実に沿って言うと「車輌高速走行時の鉄橋の歪みを計測していた名古屋鉄道局員が詰めていたテント」です。これを作るのにドリルを使っています。

 

本当にこういうテントだったのか、という疑問は捨て置きます。

<レイアウターで見たテント>

<地形テクスチャツールで見たテント>

 

 

 

ご承知の通り、部品の配置位置と地形高度・テクスチャの設定位置には10mmのズレがあるため、レイアウター上で見ると左のようにシンメトリーに欠ける見た目になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地形高度設定とテクスチャ設定の相関関係についてはこちらの拙稿もご参照あれかし。

テントの作り方を説明しても利がないように思われるので、考え方のみを示します。各自で応用してみてください。

 

<第1段階>

 

まずは普通に地形造成するように山を作ります。ただし、基準面となる平面に対し、高度設定は二段階以上になっていなければなりません。今回の例では、地表面高度10mmに対し、30mm x 50mm の範囲を高度20mmに設定し、その中に 10mm x 30mm で高度30mmの部分を作っています。

 

左の説明は我ながらわかりにくいと思います。上掲のレイアウター画像と照らし合わせて各自で補完してください。

<第2段階>

 

次に、地面と切り離したい部分、今回の例ではテントの屋根の部分を除く周囲の裾の部分になりますが、ここを「ドリル」して透過させます。この結果、ビュワーで見るとテントの屋根の部分だけが残りますが、透過させた部分は要するに「地面がなくなっている」ので穴が空きます。

 

穴を通して見えている曲線は背景テクスチャの下端です。VRM3ビュワーは背景画像を円筒状に展開するのでこういう曲線が現れます。

<完成>

 

最後に、穴が空いてしまった部分を塞ぐことの出来る部品を配置します。今回は道路部品の「アスファルト」を配置していますが、同じように平面を塞げる部品であれば何でも構いません。

 

これで「さぁ、応用しなさい」と言うのも、いささか乱暴ですので、もう1つ応用例を示しておきます。こちらの方が「テント」に比べると活用の幅が広いです。

 

<バラストの撒かれた高架線>

 

左掲のレイアウトは諸般の事情でお蔵入りしたヤツです。熱心な読者の方は「あぁ、これが例のアレか」と思われるかも知れませんが・・・想像にお任せします。

上の写真を見て、即座に理解できた人はもうオッケーです。理解できなかった人は下の写真も見てください。

 

<種明かし>

 

実は2003年のレイコンで賞をいただいた拙作"SinOsaka 2022"の一部にこの技法が使われています。まだお手元にあるなら探してみてください。

高架線上まで地面が来るように造成して、高架下にはみ出る部分を「ドリル」しているワケです。

VRMoviesは、ここに紹介した技術情報について、読者のお手元の環境での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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