緩和曲線

VRMのみならず、道床付レールを利用するすべての鉄道模型に共通する「実在の鉄道との大きな相違点」は、カーブに入った際、いきなりそのカーブの曲率に突入するという点です。この結果、車輌が突然にカクンと向きを変えたような印象を受けます。リアル鉄道模型の場合、見た目の印象のみならず、これが車輌のカーブ通過性能にも影響を与えます。

一方で、実在の鉄道では、カーブに際していきなり目的の曲率のカーブに突入することはありえません。直線部から少しずつレールの曲がりが大きくなっていきます。数学的にいうと、曲率が無限大=直線から少しずつ小さくなっていく、という表現になります。これを緩和曲線(遷移曲線とも)と呼びます。今回の作例のタイトルである "Transition Curve" はこの「緩和曲線」の英訳です。

緩和曲線については、はいで氏のWeb「おきらく研究室:レイアウトと列車のページ」でいろいろ学ばせていただきました。はいで氏に多謝。

この作品では、はいで氏のWeb「おきらく研究室:レイアウトと列車のページ」で述べられている、鉄道模型への緩和曲線の導入法をVRMに応用してみました。結果は動画をご覧あれかし。

 

具体的な実装を見ていきましょう。

 

<レイアウターでみた緩和曲線>

 

理屈はそんなに難しくありません。

15度単位で敷設されることの多い道床付レールの場合、前述のはいで氏の研究成果によると、「カーブ本来の曲率の1.66倍の曲率の15度レールをカーブの出入り口に設ける(趣意)」ことにより、緩和曲線に近似する曲線が得られるそうです。

今回の作例では、[I.MAGiC R325/359カーブレール]を使った複線路による75度カーブを作ってみました。上掲の理論に従い、カーブの出入り口のカーブレールを本来の曲率の1.66倍に近似する [I.MAGiC R537/631カーブレール」に置き換えてみました。

左記はghostの理解であり、ひょっとするとはいで氏の真意とは食い違っているやも知れませんので悪しからず。

動画をご覧いただければおわかりになるかと思いますが、一定曲率のカーブ通過に比較して、非常に自然な感じで 583系「はつかり」が通過していくのがお楽しみいただけます。

おわかりいただけないとすれば、ghost作成のサンプルがマズかったんですな、スマソ。

はいで氏も論じておられますが、道床付レールの寸法は定尺レイアウトボード(900x600mm)に楕円エンドレスをギリギリ収めることを基本に設計されており、このため、リアル鉄道模型でフレキシブルレールを使わずに擬似緩和曲線を描くには難しいものがあります。

この点、VRMはレイアウトサイズが自由に設定できるので、たまにはこういう仕掛けにこだわってみるのも一興かと思われます。お試しくださいませ。

道床式レールに緩和曲線レールがないのは、一重に「汎用性」に欠けるからでしょうね。同じ曲率でも曲がる方向によって部品が変わっちゃいますし。

VRMoviesは、ここに紹介した技術情報について、読者のお手元の環境での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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