蛇行する川

上流域の細く曲がりくねった川を表現するのは意外に骨の折れる作業です。と言うのも、VRMの地形ツールの「平地作成」は基本的に作業単位が長方形になるため、曲線の高度変化を作るのが難しいのです。

この記事は以前に紹介したテクニックの応用編です。表題を見て「あぁ、そりゃできるね」と思われた方は読むに及びません。

そこでお奨めするのが「道路を使って川を作る」方法です。順を追って説明していきましょう。

 

<道路で蛇行する川をとりあえず作る>

 

作業の効率を上げるには、レイヤー機能を活用して「レール」「橋脚」「川(を形成する道路)」を別管理することをお奨めします。

上図は、高度60mmでガーター橋を用意したところです。このガーター橋の下に蛇行する川を通したいとします。まずは、道路部品(1車線)を使い、川筋を作ります。もちろん、これでは単に道路を引いただけです。

 

道路部品は2号所収です。

2号をお持ちでない方は線路でも同じようなことができますが、後述する「数値移動」を使った高度設定ができない(仮想橋脚を使うことになる)分だけ手間が増えます。

<道路を片方の岸に移動させる>

 

次に、用意した道路を川の片方の岸に移動させます。ここで、移動させた(=現在選択している)全ての部品に対し「数値移動」をおこないます。

 

<数値移動画面、ここでは高度60mmを与えている>

 

川筋の曲線は、すなわち川岸が作り出す曲線とみなすことができますから、この時点で最初に引いた道路は片方の川岸のてっぺんに沿って存在することになります。この道路に対し、地形ツールの「造成」をおこないます。

 

<造成画面、斜面の度合いは小さ目の方が良い>

 

「造成」をおこなうと、そのとき選択している部品に合わせて地面の高度が設定されますから、これによって片方の川岸が形作られることになります。

 

<片方の岸が造成された状態>

 

この後は言うまでもないと思いますが、反対側の岸にも同じことをしてやります。

 

<両方の岸が造成された状態>

 

必ずしも左右両岸の曲線が一致する必要はありませんから、いろいろアレンジすることができます。

例えば、左岸の造成に使った道路を、同じく数値移動で少し回転させれt右岸の造成に使ったりすると「段々狭まる川幅」を自然に表現することもできます。

ここまでくれば後は仕上げです。

道路によって造成されなかった周囲の隙間を地形ツールの「平地作成」で適当に底上げしてやりましょう。これで川筋の形だけが残ります。

川の両岸は「サンドペーパー」や「ラフブラシ」で表面を滑らかに加工します。川の内側を埋めてしまわないようにするには、高度が高い方へ向かってブラシがけしてやるのが効果的です。

最後に、川の部分に水面部品を配置します。このとき、水面部品の高度設定は、ここまでの手順で作った川底よりも若干高目に設定した方が良いようです。と言うのも、サンドペーパー等の滑らかにする効果は、斜面と平面の境よりも、斜面の途中の方に顕著に現れるためです。水面部品の高度をマニュアル通りの 0mm にすることにこだわるのであれば、両岸を造成したのと同じ要領で川底を掘り下げることで対応できます。

 

<仕上げを終えた状態>

 

造成に使った道路は削除してしまっても良いのですが、上例に示したように、少し手を加えて川岸に川に沿って走る道路にしてやるのも、ちょっとした演出になります。

 

<この方法で蛇行する川を作った例>

 

左のスクリーンショットは、本文の説明につかったレイアウトとは別モノです、念のため。

後は、地形テクスチャを工夫したり、同じやり方で川岸に沿って丘陵を造成していくことで、上に例示したような変化に富んだ風景を作り出すことができます。

この技法は、ローカル線の風景を作る場合はもちろんですが、複雑な海岸線を表現したい場合や、崖際のカーブが続く風景等にも応用することができます。手間はかかりますが、効果はピカイチですので、未体験の方は是非お試しください。

VRMoviesは、ここに紹介した技術情報について、読者のお手元の環境での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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