2007/03/01上梓

縦緩和曲線の作り方

前バージョンとなるVRM3には“レールの高さは橋脚のみが決定する”という制約があったため、リアルな勾配区間を作るのが困難でした。

VRM4は“レールの両端のみに高さが設定できる”という制約はそのままながらも、任意の高さが指定できるようになったことから、ここで述べる「縦緩和曲線」を容易に作ることが出来るようになりました。

縦緩和曲線区間を設けたVRMレイアウトが、どんなに見栄えが良いかについては、拙作ヘボ動画よりも、45-50s氏によるこちらの作例の方がよほど印象的かと思いますので、ご参照ください。

同じく45-50s氏による論考も合わせて参照していただくと良いと思います。

レールの高さ設定の基本

ここで述べる縦緩和曲線を作るには、橋脚部品を敢えて使わずに、数値による高さの直接指定をおこなうことになります。まず、VRM4におけるレールの高さの設定の基本をおさらいしておきましょう。

まず、レールの向きを押さえておく必要があります。下図をご覧ください。

ここで述べる方法の他にも、橋脚を使って縦緩和曲線を作る方法があります。

同規格(I.MAGiC/TOMIX)の橋脚を使うと、レール1本あたりの高低差は5mmに固定されるため、左に述べるような細やかな指定が出来なくなります。

そこで、レールの長さを変えます。つまり(I.MAGiC規格レールであれば)最初の5mmを280mmレールで上り、次は192mm、その次は128mm・・・と、橋脚の間隔を狭めることで勾配の度合いを調整するという方法です。

もちろん、この方法は左に書いている数値直接設定ほど細やかに高さが決められないので、滑らかさに欠けることになります。

が、この方法ならではのメリットもあって、それは“VRM3でも出来る”という点です。

<レールの向き>

レールを回転させると、レールの真ん中ではなく、一方の端を中心にレールの向きが変わっていきます。このとき、回転の中心を“回転原点”と呼ぶことにします。

<レールの高さオプション>

レールを1つ選択した状態でオプション欄を見ると、上図のようになっています。〔高さ〕のテキストボックスが2つありますが、このとき、上の方のテキストボックスが回転原点側、下の方はその逆側の高さを示しています。

これは、ストレートレールとカーブレールに共通した決まりごとです。作業中にどちらが回転原点側かわからなくなったら、とりあえず15度回転させてみましょう。一目でどちらが回転原点かわかりますね。

なお、レールの高さを数値で入力する場合は、前もって〔高さを変更しない〕のチェックボックスにチェックを入れておく必要がありますのでお忘れなく。

縦緩和曲線の考え方

要するに、縦緩和曲線というのは、いきなり急角度に上ったり下ったりするのではなく、平坦線から緩やかな勾配が徐々にきつくなり、また緩やかになっていって平坦になる、そういう勾配区間のことです。

以下、レイアウター画面ではわかりにくいので、レールを横からみた図で説明します。

<良くない例>

平坦線から2本のレールを使って6mm上る区間を例に説明します。2本のレールで6mmですから、単純に平均するとレール1本あたり3mm上ることになります。これを馬鹿正直に設定すると上図のようになります。ご覧の通り、平坦区間から勾配に入った途端に、カクンとレールが折れ曲がります。実際やってみるとわかりますが、走行する列車が極めて不自然になります。

<縦緩和曲線の例>

左に示したレールの高低差はあくまでも例であって、こうでなければならない、というものではありません。実際の数値が諸兄のお好みで調整してください。

なお、縦緩和曲線が数字的にどうあるべきかについては、はいで氏こちらの研究が参考になると思いますのでご参照あれかし。

そこで、上図のようにします。たとえば上り始めは2mmだけ高さを変え、次のレールではそれを倍にします。前段の例と上る高さは同じ6mmですが、勾配が滑らかになります。

<上り切った部分も同様に>

この勾配を上りきって平坦区間に戻る際も、同じように、隣接するレールの高さの差を徐々に小さくしていきます。

 

たったコレだけのことであり、一見して「こんなんでホンマに滑らかな勾配に見えるんかいな?」と疑問に感じますが、ビュワーで見てみると、意外や意外、編成の屋根の部分が美しくしなり、平坦線では見ることができない独特の美しさを楽しむことが出来ます。

左スクリーンショットは、後日ギャラリーに登場予定の作品より。

作業上の注意

VRM3からVRM4に移行して初めてVRMレイアウトに着手する方や、普段橋脚部品でレールの高さを設定することに慣れているかたは、数値で直接高さを指定する作業に戸惑いを感じるかも知れません。

特に、レールの向きを間違えると「レールに段差があります」と表示されてビュワーが起動出来ないので、高さがチグハグにならないように、慎重に(そんなに神経質になるほどでもないですが)作業を進める必要があります。

<段差発生の瞬間>

ビュワーの起動を試みずとも、作業中に忌まわしい段差の発生は簡単に知ることが出来ます。

上図の下のレールがそれで、レールの接続部に赤い×印が表示されていますね。大抵の場合、冒頭に述べた回転原点の向きを間違えて、高さを逆に入力しているはずですから、オプションの高さの数値を入れ換えてください。×印が消えるはずです。

レールをつなぐ毎に、×印が出来ていないかどうか、確認しながら作業を進めれば、いざビュワー起動の段になって「どこに段差があるかわからな〜い!」と慌てることがありません。逆に言うと、これをちゃんとチェックしておかないと、ビュワー起動の段になって泣くことになりますから要注意です。

VRMoviesは、ここに紹介した技術情報について、読者のお手元の環境での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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