2007/01/27上梓

モノレールの作り方

本稿では、VRMでモノレール(っぽい)軌道を作る方法を解説します。なお、ここでいうモノレールは跨座式です。本来のVRMの使い方を無視しているので、若干の無理があることは承知しておいてください。

ここではVRM4による方法を解説します。VRM3では以下の手法は使えないか、制約を受けます。

基本編:直線区間を作る

この手の表現技法で現存する最古のものは、まゆきち氏の手になる「リニアモーターカー宮崎実験線」と思われます。氏の手法は、レールを高架プレートで隠し、継電箱を並べてモノレール軌道を作るというものでで、本稿で扱っている手法とは少し異なりますが、私自身、氏の作例にインスパイアされてこの手法に思い至りました。VRM3時代の初期に、このような独創的な作例を公開しておられた氏の先見の明に、改めて表敬しておきます。

 

高架線を構築し、そのレール部分をなんらかの方法で見えないようにしてやれば、とりあえずモノレール(またはリニアモーターカー)っぽく見せることが出来ます。基本はそれだけです。

以下、I.MAGiC規格レールを使う場合とTOMIX規格レールを使う場合の両方に触れていきますが、いずれの場合も話を単純化すべく、それぞれの規格の標準的な高架の高さ(線路面対地54.5mm/64mm)を採用するものとして説明します。

I.MAGiC規格(要VRM4第1号)を使った直線区間

この手順では、スラブ道床レール、高架プレートB、PCビーム橋脚を使用します。

まず、高架プレートBを1つレイアウトウィンドウにドロップします。オプションウィンドウの〔高さを固定する〕をチェックし、〔高さ〕は54.5mmを(両端のために2回)入力します。

<こんな具合に>

製品付属のオンラインマニュアルでは、TOMIX規格の標準高架区間は、橋脚高55mmに対しレール設置面68mmと記載されていますが、実際にレイアウターでやってみると、高架プレート、レール共に64mmになるようです。

本稿ではマニュアル記載を無視し、レイアウターの動作に準拠しました。

このプレートの上に、同じ長さのスラブ道床レールを置けば、その高さは自動的に54.5mmに設定されます。同じく、レールについても〔高さを固定する〕にこの時点でチェックを入れておきます。

これをコピー&ペーストし、必要な長さの直線区間を作ってしまいます。この時点でビュワーを起動すると、高架線が宙に浮いた状態になります。

<第一段階終了>

以降、この手法で配置するレール・高架プレートは、必ず高度固定設定をおこなっておく必要があります。

これを怠ると、モノレール部となるビーム橋脚の持ち上げ機能により、レール・高架プレートの高度設定が撹乱され、ワケがわからなくなります。

 

次にPCビーム橋脚をドロップします。この部品は3種類の幅がありますが、どれを使っても構いません。この幅が、モノレール区間の橋脚の設置間隔になるので、好みのものを選んでください。

この橋脚には2つの役割があります。第一には、この時点で宙に浮いている高架を支えているように見せること、第二には、レールを隠し、モノレールっぽく見せること、です。この橋脚を、そのまま高さだけを調整してレールを隠すようにすると、橋脚自身の足元が地面から浮いてしまい、第一の役割を果たせなくなります。

そこで、まずは橋脚自身の高さを変更します。橋脚を右クリックし、ポップアップメニューの〔70.0mm〕をクリックします。

<橋脚自身の高さを変更する>

これで、橋脚の足に十分な長さが出来ました。次に、設置面の高さを変更します。〔オプション〕で〔高さを固定する〕にチェックを入れた後、〔高さ〕に-9〜-6mmくらいの数値を入れます(これは好みで調整してください)。これを、先に用意した高架線路のレール部を隠すように配置します。

<レールを覆う位置に橋脚を配置する>

拙作BSP/VRM3第0号用レイアウト"Three Layers"でも、同様の手法でモノレールを表現しています。が、VRM3第0号のビーム橋脚は、脚の長さが50mmに固定されており、立体交差可能な高架のレールを隠すと、橋脚自身は宙に浮いてしまいます。

これの対策として、同作では同一地点に配置高度の異なる2つのビーム橋脚を配置しています。つまり、高い方のビーム橋脚がレールを隠し、低い方が見た目上の接地を担当する、というワケです。

非常に面倒な作業なので、読者諸兄にはお奨めしません(苦笑)。

これを高架線路に沿って隙間無く並べていきます。橋脚部品の端と端を合わせて並べていっても問題はありませんが、ビーム橋脚の脚の部分の配置がまばらになります。これが嫌であれば、隣接するビーム橋脚の脚を重ねてしまう、という手があります。

<橋脚の配置間隔、上:端合わせ/下:脚合わせ>

PCビーム橋脚は脚の間隔の広狭で3種の部品がありますが、並べて脚が綺麗に重なる間隔は、PCビーム橋脚50mm-50mm-150mmの場合で64mm、同100mm-50mm-150mmであれば114mm、140mm-50mm-140mmであれば154mmになります。

隣接する橋脚の脚を重ねた場合、お使いのビデオカードやPC環境によっては、Zバッファ干渉が激しく見るに耐えないケースがあるかもしれません。その場合は、あきらめて左掲上のような、不均等な橋脚配置を受け入れてください。

いや、これはこれで味があると思うんですけど。

上掲下のスクリーンショットは、50mm-50mm-150mmを64mm感覚で配置した例で、地上線との立体交差を考えないのであれば、最も自然に見える配置です。

<橋脚の高さによる差、左:対地-9mm/右-6mm>

本稿で、モデル車両に第5号収録の591系を選択したことには、特に深い意味はありません。

形状的にはモノレールっぽいかなー、と思いつつ、はやり国鉄特急標準色カラーの印象が強すぎて返って不自然な気もします。

TOMIX規格(要VRM4第2号)を使った直線区間

基本的な考え方は同じです。

レール、高架プレート、ビーム橋脚を使います。現時点ではVRM4のTOMIX規格レールはバラスト道床のものしかありませんので、お手元に第2号しかないのであれば、そのまま使うしかありません。

TOMIX規格のビーム橋脚は、自身の高さの設定をI.MAGiC規格のそれほど細かくは指定できないので、とりあえず最も長い〔110.0mm〕にしておきます。橋脚の配置の高さは-42〜-39mmくらいでお好みに。

<橋脚自身の高さを変更する>

TOMIX規格のビーム橋脚は、自身の高さの設定をI.MAGiC規格のそれほど細かくは指定できない<なんでだろうね・・・手抜き?

橋脚の配置に関しては、TOMIX規格のそれは脚のある箇所がレイアウター上で判別できるので、直感的に脚が重なるように配置することが出来ます。

<TOMIX規格橋脚は脚の場所がわかりやすい>

首尾よくいけば、以下のような感じに仕上がります。

<若干、バラストが見えてしまう>

<I.MAGiC規格に比べて、やや華奢な橋脚>

TOMIX規格のそれは脚のある箇所がレイアウター上で判別できる=I.MAGiC規格のそれはレイアウター上で判別できない<なんでだろうね・・・手抜き?

I.MAGiC規格とTOMIX規格を混ぜて使う

もし、お手元にVRM4の第1号と第2号の両方があるのであれば、レール・高架プレートはI.MAGiC規格、橋脚はTOMIX規格を使うのが、見た目的にも作業の手間的にも最適となります。この場合、ビーム橋脚の配置の高さは約-51mmとなります。

<I.MAGiC/TOMIX規格併用で作ったモノレール軌道>

必然的にここに行き着くんだけども、全パッケージ揃えてる酔狂な人って、どのくらいいるんだろうね、実のところ?

応用編:曲線区間を作る

基本的な考え方は直線区間と同じです。

ただし、ビーム橋脚の配置方法に一般的な手順はありません。根気強く、少しずつ橋脚の角度を変えて微調整していくことになります。

<橋脚をコピーして・・・>

<レールを隠すように回転させ・・・>

<うまく隠れたので・・・>

<次も同様に・・・>

<その次も・・・>

直接は関係ないんだけども。

 

こういう微妙な角度調整をする際に意外に便利な手法があって、それは・・・

 

1.どちらかに22.5度回す

2.さっきとは逆に15度回す

 

とやると、これで15度の半分、つまり7.5度回したことになるワケ。今回の手法に限らず、特に曲線区間への架線柱敷設なんかのときに、これを知ってるかどうかで随分と作業量が変わると思う。気づいてなかった人はお試しあれ。

この作業を進めるコツは、あまり神経質にならないことです。結局、ビュワーでこの部分を見る場合は、遠目に眺めることの方が多いはずですから、さほど高い精度は必要ありません。心持ち、橋脚の配置をカーブのやや外側に寄せるくらいの感じで置いていくと綺麗に仕上がります。

心頭滅却すれば面倒もまた楽し、とか。いや、無の境地でやるVRMってのも、どーかとは思うんだな。

<並べ終えたところ>

<ビュワーで見るとこうなる>

裏技編:側壁を取り除く

※以下の手法は、VRM4のバグ(?)を使ったものであり、施工が難しい上に、今後リリースされるアップデータによって無効化される可能性がありますが、それでも構わなければ使ってみてください。

 

ここまで基本編・応用編で説明してきた手法では、高架プレートを使っているので、一般的なモノレール軌道ではマイナーな側壁が出来てしまっています。これを取り除く方法を紹介を紹介しておきます。ただし、この方法は直線区間のみに適用可能で、曲線区間を作ることは出来ません。

個人的にこの奇妙な現象は面白いので、アップデータで取り除いて欲しくないんですが、有用かつマニュアルに書いてあることすらしばしば出来なくなるから、期待は出来ませんな、と嫌味。

この手順に利用する裏技を理解する

詳しくはこちらを参照してください。要約すると・・・

 

1.接続されていない2本のレールをレイアウト上に置く。

2.一方をドラッグしてレールをつなぐ。

3.〔もとに戻す〕を実行すると、2で移動させたレールが元の位置に戻る。

4.しかし、ビュワー上ではこの2本のレールの間(見た目上はレールが存在しない)に編成を走行させることができる。

 

というものです。

そもそも、側壁=高架プレートがモノレール軌道作りに欠かせない直接の理由は、I.MAGiC規格にせよTOMIX規格にせよ、ビーム橋脚よりもレール道床の方が幅広なため、レールを隠すことができても横へはみ出る道床を隠すことが出来ないことによります。

45-50s氏によって見出されたこの裏技(バグ?)を使い、レールがないけれども走行可能な直線区間を作ることで、見た目上はビーム橋脚のみが存在する部分に編成を走らせれば、より跨座式モノレールっぽい外観を得ることが出来ます。

実際に作ってみる

以下におおまかな作業の流れを示します。「透明レール」化する2本のレールがやたらと近いのは説明の都合上のことで、45-50s氏も書いているように「お互いに十分離れた」レールを使った方が効果的です。

<ビーム橋脚を並べて軌道(になる部分)を作る>

<両端にレールを配置する>

この時点で、左右のレールはお互いに真正面にくるように調整しておきましょう。言うまでもなく、ビーム橋脚によってレールの隠れる位置にしておく必要があります。

<一方のレールをドラッグして接続する>

<すかさず〔もとに戻す〕>

<こうなる>

一旦この状態にした後で、このレールを移動させたりすると接続が解除されてしまうから要注意。

正直、この手法を真っ当なレイアウトに、特にVRMビギナーな人が使おうとするのはお勧めしない。早晩イライラするに決まってるから。

こうして、レールが見えないけれども直線走行可能な区間を作ることが出来ました。レールのある部分は適当に駅にしてしまえば違和感はないはずです。ここの区間をビュワーで見ると、以下のようになります。

<かなりモノレールっぽい>

突如VRM3第7号収録の811系登場。

いや、結構絵になってるでしょ?

謝辞

冒頭にも紹介していますが、道床付レールが基本のVRMにおいて、このような表現が可能であることを実例を以って示したまゆきち氏、透明レールの一般的敷設手法を見出した45-50s氏、そして、本稿を書くキッカケを作ってくれた電波男氏に多謝。

VRMoviesは、ここに紹介した技術情報について、読者のお手元の環境での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


Webmaster: ghost@nodus.ne.jp