効率よく高架線を敷設する

VRM3でレールを敷いていく際、高架線の敷設は平面上のレールの敷設に比較してとても手間がかかります。ここでは"Over the Inland Sea"の「瀬戸大橋モドキ」構築に用いた工夫を紹介します。

 

厳密には「高架線」ではなく、「高度が0でない線」というべきか。なお今回は「高度が0でなく、かつ一定である線」を想定している。「高度が変化する線」についてはそのうち書く予定。

工夫、と言ってもそんなに大袈裟なものではありません。基本的な発想は、「連続する高架線を1まとまりの部品のかたまりの繰り返しと見なす」ということになります。

レイアウト作成にあたっては、とりあえず運行可能なレールをバーッと引いてみたくなるのが人情ですが、そこをグッとこらえて、「1まとまりの部品のかたまり」をじっくり考えてみましょう。

<1まとまりの部品のかたまりの例>

ここで使われている部品は

・TOMIX複線レールDS280 x1

・TOMIX透明橋脚 x2

・IMAGIC木製複線架線柱 x1

です。

 

なお、あえて「木製複線架線柱」を使っているのは、Over the Inland Seaが2層構造の高架を扱っているため。TOMIXの架線柱シリーズは片側に突起物があり、これが上層高架を貫いてしまうのだった。

 

余談ですが、各部品名が具体的にどんな外観をもっているかについては、CHO氏によるWebサイト「CHO-Rail」内の労作「部品カタログV3」がとても便利で、当方もしばしば利用させていただいてます。CHO氏に多謝。

このときポイントは2つあります。

 

1つは「橋脚は片側だけにしておく」こと。上の例では複線レールなので、橋脚は2本になっています。もちろんこのままビュワーで見ると、片側(上例では下側)に大きく傾いた高架になります。

が、この「かたまり」を繰り返しコピーして使うことを考えた場合、橋脚を両側にしておくとコピーを連結した際に連結部の橋脚が重複します。透明橋脚の場合、見た目に害はありませんが、繰り返しの量によってはメモリの浪費となります。PC橋脚等については何をか言わんや。

 

もう1つのポイントは「線路に沿って繰り返し現れる敷設物を含んでおく」こと。VRMでは橋脚によって高度設定されるのはレールと高架プレートだけですから、一端敷設してしまった高架線に、同高度のストラクチャを後から置いていくのは量によっては苦痛を伴う作業となります。

特に架線柱やガード下のフェンス等は、等間隔に繰り返されることが明らかですから、あらかじめ「かたまり」に含んでおくことが、後々の仕上げ作業の手間を大きく軽減してくれます。

 

「高架道路」を敷設する場合、この傾向はより顕著になります。

当然のことながら、ストラクチャオプションの「高度を変化しない」にチェックを入れておかないと、この工夫も灰燼に帰すこととなる。

幸いにして、このチェックはデフォルトのようなので問題にはならんでしょうが、ご注意あれ。

<高架道路かたまりの例>

ここで使われている部品は

・IMAGIC複線高架プレート128mm x2

・TOMIX透明橋脚 x4

・IMAGIC2車線128mm x2

・IMAGIC街灯国土交通省タイプ x2

です。

 

直線道路の設定高度は橋脚の高さに比して0.1mm高くしています。いわゆる「Zバッファ干渉」を回避するためですが、これなんかも後から気づいてしまって、かつレイヤが適切に分かれていないと、苦行の修正作業を強いられる例と言えるでしょう。

 

適切に橋脚を配置されすれば見た目がとりあえず保証されるレールに対し、高架プレートと道路の組み合わせは種々の微調整が必要となります。ある程度の長さ作ってしまってからミスに気づくと、これまた苦痛の伴う修正作業が待っています。

そこで、(1)両側に橋脚を配した状態で美しく見える「かたまり」を作る、(2)片側の橋脚を除去する、(3)残った固まりをコピー&ペーストして高架道路を延伸する、という手順を推奨します。

 

曲線区間の場合も、同じような発想で対応できます。特にVRM3では選択した複数部品をまとめて回転させることが可能になっているため、直線区間と同じ方法で作業を進めることが可能です。

ただし、注意が必要となるのは、例えば「右曲がり」で用意した「かたまり」を180度以上回転させて「左曲がり」として使う場合です。当然、片側だけに残した橋脚の向きも代わりますから、この「右曲がり」と「左曲がり」を連結すると、橋脚が重複するか或いはまったくない連結部が生まれることになります。

このような場合、予め「右曲がりかたまり」と「左曲がり固まり」を作っておくか、または、軌道が蛇行しないのであればとりあえず進行方向に従って延伸を繰り返すことでこの現象自体を回避できます。

 

コピー&ペーストの結果、橋脚が重複してしまった際に問題になるのは、適切な処置を忘れるとその部分の高架が落下するのは当然として、「重複した高架を削除して回るのが面倒」という点の方がむしろ大きいと思われ。

リアル鉄道模型と比較した場合、ヴァーチャルゆえの利点のコピー&ペーストも、使い方によっては逆に手間を増やすことになるからアラ不思議。

「テクニック」と呼ぶには小粒な内容ですが、このやり方に慣れると、真正直に高架を敷設するのに比較して、飛躍的に作業効率が向上します。未体験の方は是非お試しください。

VRMoviesは、ここに紹介した技術情報について、読者のお手元の環境での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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