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ゴールデンパスラインでもっと行こう

スイスには有名な観光列車が3つあります。

最も有名なのは「氷河急行(Glacier Express) 」。並んでよく知られるのが「ベルニナ急行(Bernina Express) 」。いずれもスイス東部イタリア国境付近を走る観光列車で、いずれもこれに乗るためのツアーが組まれている人気の列車です。

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上記2列車と比較するとやや知名度は劣りますが、ある意味で最もスイスらしい風景を楽しめる列車が今回ご紹介する「ゴールデンパスライン(GoldenPass Line)」です。

氷河急行、ベルニナ急行がそれぞれの始発駅から終着駅までいくつかの鉄道会社をまたいで直通する1つの列車の呼称であるのに対し、ゴールデンパスラインは3つの列車の総称、あるいは、3つのコンセプトを共有する列車が走行する路線の名称、という点で若干意味合いが異なります。

国内では「氷河特急」「ベルニナ特急」と紹介されることも多いようで(リンク先もそうなっています)すが、原語のニュアンス優先で敢えて「急行」としておきます。

ゴールデンパスラインが3つに分割される理由は単純明快で「軌間が異なるから」です。モントルー・ツヴァイシンメン(Zweisimmen)のMOB(Montreux Obeland Bernois)とインターラーケン→ルツェルンの国鉄ブリューニク線(Brunigbahn)がメーターゲージ、つまり軌間1,000mmであるのに対し、中間のツヴァイシンメン→インターラーケンのBLSは国際標準軌1,435mmです。RENFEのタルゴみたいなフリーゲージトレインを導入しようという議論もあるそうですが実現に至らず、塗色・デザインを統一した車両がそれぞれで運行されています。

今回ghostが乗ったのは3区間のうち湖畔の美しい風景が楽しめるインターラーケン(Interlaken Ost)からルツェルン(Luzern)間で、これはゴールデンパスラインの全工程となるモントルー(Montreux)からルツェルンの末尾3分の1に相当します。が、別ルートを経由してモントルーからインターラーケンまで乗り鉄したので、結果的にすべてのゴールデンパスライン列車に出会うことができました。

<MOBのGoldenPass Panoramic/モントルーにて>

一見してスイスらしくないのがMOBのパノラミック車。なんとなく日本っぽいですね。ただし驚くなかれ、コイツは電車ではなく、客車です。前後に2階運転台・1階展望客車が連結され、編成中央に電気機関車が挟まれるという、この点についてはいかにもスイスらしい列車です。

なお、ゴールデンパスラインの列車がすべて金ピカ塗装なワケではありません。MOBの展望車やBLS・ブリューニク線で見られるパノラマ大窓車を連結したフラッグシップモデルのみがこの塗装で、他に赤と黒の塗装で「GoldennPass Line」とロゴの入った列車も走っています。

<BLSのGoldenPass列車/インターラーケンにて>

コイツはちょっと前にKATOがNゲージでリリースしてたので、その筋でご存知の方もおられるやも。

日本では優等客車列車(事実上は寝台特急)の牽引機関車は列車によって決定されていますが、スイスではそういうことはなく、編成に必要とされる牽引力と機関車の運用上の都合で牽引機が変化するようです。

この日(インターラーケンからグリンデルワルトに向かう途上だったのですが)はたまたま1964年製ながら今なお現役の燻し銀機関車Re4/4牽引の列車に出会う幸運に恵まれました。

<ブリューニク線のGoldenPass列車/インターラーケンにて>

パッと見では気にならないかも知れませんが、上掲のBLSの写真と機関車の足元を見比べてみると、HGe101がその巨体に比して極めて狭い線路に乗っているのがおわかりいただけるでしょう。なんせメーターゲージは日本のJR在来線(1,067mm)よりも狭いワケですから。乗ってみると、意外に気にならないんですけどね。

ghostが乗り込んだのは、本線級機関車ながらリッゲンバッハ式ラックレール対応機でもあるHGe101牽引の上掲列車。余談ですが、HGeのHはラックレール対応機、Gは狭軌=メーターゲージ機、eは電気駆動を意味しています。

こいつの1等パノラミックに乗り込みます。1枚窓が天上まで達しており、非常に広い視界が確保されています。トワイライトエクスプレスのサロンカーにグリーン車の座席が着いている、みたいな感じ。

<1等パノラミック車>

<車内から見るとこうなってる>

1等車のチケットさえ持っていれば予約なしでも乗れます。が、同じ1等車でも内装が随分違うので、当然のことながら競争率高いです。

ちなみに、MOBの先頭パノラマ車は1等チケットに加え、予約を取っておかないと空席があっても乗車できません。

インターラーケンを出た列車はしばしブリエンツ湖畔に沿って進みます。そしてマイリンゲン(Meiringen)でスイッチバック。ここで、スイスでは珍しく長時間停車の上、機関車位置を編成先頭に付け替えます。ここからラックレールによるブリューニク峠越えが始まるからです。

<ブリューニク峠を行く>

スイスの客車は結構窓が開きます。聞くところによると、エアコンの装備率が低いのと、そもそもスイス人がエアコン空調を好まないためらしいですが。

ghostにとっては空調なんてのはどーでもいいことで。こーやって体を乗り出して写真を撮れるのがハッピーなだけで。左写真はデッキの窓から。まぁ、あまりよろしくありませんが。

で、件のパノラミック車はここから2両後ろなんですが、ひとしきり楽しんで席に戻ると、妻曰く「あなた、ここから丸見え」。恥ずかしー!!

ブリューニク線は国際標準軌が基本のスイス国鉄(SBB/CFF/FFS)にあって、唯一の狭軌線となっています。その理由がこの難所ブリューニク峠で、ラックレールと山沿いを狭軌ならではのカーブ半径で乗り越えていく、という具合です。そして、峠を越えるとそれまで狭隘な谷間を走っていたのがまるで嘘のように視界が開けます。なるほど、ゴールデンパスラインとはよく言ったものです。

<なだらかな丘陵地に沿って走る>

<振り返ると、まるで模型のようなパノラマが>

これが別館の方で第三期レイアウトに湖畔を作ることを決心させた風景、ってなワケでして。

<湖畔の駅で青いHGe101牽引の列車と交換>

すれ違いに際し、向こうの列車にも開けた窓越しにカメラを構えるドイツ系っぽいおっさんが一人。お互いに気づき、思わず手を振って一期一会の笑みを交わしました。

そんな感じで本日はこれまで。

次回は好対照な路面電車を2つご紹介しようかと思っております。ではでは。

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