2004/05/19

ビュワー画像と実際のレイアウトの違い

そもそも違って当たり前なんですが。

それはさておき、VRMを使ってリアルNゲージレイアウト設計を進める場合に特有の問題点・・・というか、注意点があるので、ghostの自身の備忘的に書き残しておきます。

 

結論から参りましょう。ポイントは2つです。

 

● ビュワー画像は立体視できない。

● ビュワー画像にはピントがない。

 

です。

「そんなん当然やん」と言われたらそれまでの話です。もういいと思った方は、以降は読むに値しません。

 

厳密に言うと、微妙に視点を左右にズラした画像を2枚用意して、立体写真を見る要領で眺めれば立体視は再現できますが・・・そこまで誰もせんでしょうな。

っつーか、これ、面白そうだから今度、本館の方でネタにするか!!

鉄道模型レイアウトを眺める視点というのは、大雑把に考えて2つあります。1つは「遠目に全体を眺める視点」と「近づいて一部を注視する視点」です。VRMを使ってレイアウト完成像の事前シミュレーションをするということは、言い換えるとレイアウターで製作したレイアウトを、ビュワー上でこの2つの視点で見てみることに他なりません。

 

「遠目に全体を眺める視点」に立つには、フライスルーカメラに切り替えて、レイアウト本体から少し離れてから振り返る、という手順を踏むことになります。思うに、VRMを「PC上で鉄道風景を楽しむソフト」と割り切っておられる方は、あまりこういう視点からVRMレイアウトを眺めることはないのではないか、と思います。とりあえずは、なんでもいいので手持ちのレイアウトファイルで試してみてください。

お手元のPCの性能にもよりますが、とりあえずこの用途にパフォーマンスは必要ないので、あらかじめ環境設定でレンダリング範囲を最大にしておきましょう。

実際に「肉眼」で鉄道模型レイアウトを俯瞰した経験がないとピンとこないかもしれませんが、当たり前のことながらVRMビュワー画像では「奥行き」がまったく感じられなくなるんですね。説明するまでもなく、人間の目は左右2つの目の視差で立体感を得ています。モニタ平面上に展開される3DのCGは、3Dだけれども、立体感はないワケで、特に描画される物体から距離をおくとその傾向が顕著になります。

この結果、VRM設計したトラックプランに沿ってレールを仮置きした時点で、「アレ、こんなに大きかったっけ?」という印象を持つことになります。これは、VRMビュワー画像にはなかった奥行きが加わったことによって生じる感覚です。試しに片目を閉じてレイアウトを眺めてみると、その雰囲気は急にビュワー画像のそれに近くなります。

 

「近づいて一部を注視する視点」は、おそらく大半のVRMユーザーにとって極普通にVRMレイアウトを眺める視点になるかと思われます。

もちろん、この視点においても立体視の問題はあります。試みに、手持ちのNゲージ車輌があるなら、それを机の端において、ギリギリまで顔を近づけてみてください。Nゲージ車輌に注目したまま周囲の風景に意識を向けると、周囲の風景が「分裂」しているのがわかると思います。これは、両目が注目している対象と周囲の風景との距離の差が激しすぎて、周囲の風景が脳内で1つの像として結ばれないことから起こる現象ですね。前段にも書いたように、片目を閉じればこの問題は解消されます。が、近づいて注視する場合は、もう1つ別の問題が発生します。これがピントの問題です。

人間の目には、見ようとする対象に応じて水晶体レンズを薄くしたり厚くしたりすることにより、ピントを合わせる機能があります。遠目に眺める場合、目からレイアウトの距離と比較して、目からレイアウト手前までと奥手までの距離の差は無視してよいほど小さなものになります。これは手前に注目する場合と奥手に注目する場合、さほどピントが変化しないことを意味し、この結果、レイアウトのどこに注目しても全体をくっきりと見ることができます。

これに対して、レイアウトに顔を近づけて一部に注目した場合、これと逆のことが起こり、目に近いものを見た場合には奥のものはボヤけて見えますし、遠くのものに注目すると目の前にあるはずのものがボヤけます。

当然のことながら、VRMビュワーはモニタ解像度の許す限り、レイアウター設計上そこにあるものを、可能な限り鮮明に書き出します。この結果、たとえばビュワー上では非常に近くに見えていたものが、実際に配置して近接視点で見てみると、えらく遠くにあるように見える、という現象が起こります。

立体視の場合と異なり、これはカメラで撮影した場合にも言えることなので、以下にそれを実感できる対比画像を例示してみます。

 

 

<奥行き距離は同じはずなのに、下写真の方が奥行きを感じる>

 

ビュワーの天候設定によって、もう少し奥行き感を出すことができますが、天候効果は像をボヤけさせるのではなく、色の彩度を変化させるものだという点には注意しておく必要があります。

また、天候設定でも「奥手に注目した状態(左例で言えばレイアウト奥の鉄橋にフォーカスした状態)」を再現することは不可能です。

以上のことから、VRMビュワー画像を見ながらレイアウト設計を進める場合には、以下のことに注意する必要があると言うことができます。

 

● 実際にNゲージレイアウトを製作してみると、その奥行きが増してみえることを考慮しておく。

● ビュワー上で手前にあるものと奥にあるものが効果的に並んでいるように見えても、それがNゲージレイアウトにそのまま反映されるわけではない。

 

「VRMをNゲージレイアウト設計に活用しようぜ」と訴えておきながら、このような問題点も書いてみたりと、例によって支離滅裂ですが、上記2点を踏まえても、レイアウト製作にあたって事前にVRMでその外観をシミュレーションするメリットは多くあります・・・そういうことにしておいてください。

ghostは、ここに紹介した内容について、読者のお手元での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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