2004/03/22

KATO・ユニトラックと固定式レールの相互接続

本稿では、KATO製道床付きレール「ユニトラック」と、同社製「固定式レール(フレキシブルレール)」の相互接続についてまとめます。

 

任意の曲率のカーブを得たいだけであれば、フレキシブルレールのみのレールプランでも問題はありません。ユニトラックと固定式レールを混交させることには、以下のようなメリットがあります。

 

・ユニトラックのみでは得られない任意の曲率のカーブ区間を得ることができる。

・固定式レールのみでは得られない安定した直線区間を得ることができる。

・ユニトラックの配線機能を利用することで、固定式レール独特の配線の手間を省ける。

 

一方で以下のようなデメリットもあります。

 

・ユニトラックのみの場合に比べ、コルク道床の設置など、レール敷設に手間がかかる。

・固定式レールのみの場合に比べ、若干コストが割高となる。

・ジョイント通過音にバラつきが生じる。

 

上記のメリットがデメリットを上回る効果を得ると判断されるレイアウトについては、ユニトラックと固定式レールの混交を選択する価値があります。

以下に、ユニトラックと固定式レールの相互接続をおこなう上での施工上での留意点をまとめます。

 

読みやすい技術記事にするために、いつものボケを慎みます。面白くもなんともない文章ですが(いつもの文章も面白いかどうか疑問ですが)どなたかのご参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニトラックの配線機能を利用するということは、すなわち「ポイントが向いていない線路には通電しない」ことを意味します。実装にもよりますが、DCCには不向きかも知れません。

レール面の高さ

固定式レールは、レールとなる金属部品の下に枕木となる軟質プラスチック部品が付属しているのみです。コレに対し、ユニトラックには硬質プラスチック製の道床が付属するため、レール面の高さが異なります。そのままレイアウトボード上に置いたのみではレール面の高さが一致せず、接続できません。

意外にも、この問題は容易に解決されます。同じくKATO製の「コルク道床」を固定式レールの下に敷くことで、レール面の高さをユニトラックのそれとピッタリ揃えることができます。

 

このことは、まるしん模型店の親父さんに教えていただきました。

<コルク道床によりレール面の高さが揃う>

 

コルク道床は、ベニヤ板製のベースにフレキシブルレールを直付けした際に発生する独特の「ゴーッ」という音を緩和するためにも利用する素材なので、手間が増えると思われる方は少ないでしょう。

 

ユニトラックの固定

固定式レールは釘でレイアウトボードに固定するのが定石です。これと接続するユニトラックを異なる方法(例えば接着剤)でレイアウトベースに固定した場合、保持力の相違からユニトラック側がフレキシブルレールの反発力に負けてズレてしまう場合があります。

フレキシブルレールのカーブ区間の曲率が大きければ大きいほど、元の直線に戻ろうとする反発力は大きくなり、注意が必要です。

これを避けるために、ユニトラックも釘で固定することをお奨めします。ユニトラックレールの表面には釘を打つべき穴はありませんが、裏返してみると、道床の表面に向かう中空の円筒状の部位が成型してあることに気づくと思います。まず、ここに裏側から釘を打ち一旦貫通させます。その上で釘を抜き、今度は表側からさきほど開けた穴に釘を打ち込みます。これをレイアウトボードに打ち付けます。

これにより、固定式レールとユニトラックの固定力を揃えることができます。問題となるのは、発泡スチロール製の勾配区間のように、レイアウトベースが釘打ちに向かない素材である場合です。この場合でも、レール敷設区間に 1〜3mm厚程度のバルサ材等を敷いて、釘打ちをおこなうことをお奨めします。別観点から後述しますが、フレキシブルレールの反発力は想像以上のものがあります。

 

余談になりますが、言うまでもなくNゲージのレール間は 9mm です。ヘッドが 9mm のハンマーというのはあまりありませんし扱いも難しいですから、大抵の方はレール幅よりも大きな金槌を使われることでしょう。当然これでは釘頭までを道床面に打ち付けることができません。

釘頭がレール面と同じであれば、走行する車輌に干渉することはまずありませんが、あまり見目麗しくありません。この場合、ベースの素材にもよりますが、通常のレイアウトベースのように薄いベニヤ板のベースであれば、貫通した釘はペンチやニッパー等の工具の先でグッと押し込むことにより、意外と簡単に埋め込むことが出来ます。

 

レール同士の接続

ユニトラック規格のレール接続部品である「ジョイナー」をそのまま利用することができます。ただし、通常のユニトラックレールにはレール接続面に対しジョイナーが1つしか付いていません。これは、ユニトラックがユニトラック同士の連結を想定しているから当然のことなのですが。

そこで、ジョイナーをもう1つ用意して、空いている側のジョイント部に取り付けてやります。

 

<ジョイナー>

<ジョイナーを1つ補充したユニトラックレール>

<ジョイナーに固定式レールを差し込む>

 

ジョイナーの金具部分はレールを保持するのみならず、車輌の走行に必要な通電を確保する大事な部品です。

稀なことなのかも知れませんが、今回の施工に際し、いつの間にかこの金具が外れており、ボードに固定して試運転の段階で気づいて慌ててレールを引っぺがすという経験をしました。

何分小さな部品ですので,くれぐれも金具の脱落にはご注意ください。

ジョイナーは別売りもされていますが、ユニトラックから取り外すことでも得られます。パック売りしているレールの中の余りや、ポイントレールに付属する中の使わなかった補助線路から、結構な量を得ることができます。まずは、手持ちのユニトラックからの取り外しを検討し、それでも足りなかったら別売りのジョイナーを購入しましょう。

 

ジョイナー取り外し専用の工具も市販されていますが、ジョイナーとレール部品の隙間に小さなマイナスドライバーを差し込めば簡単に外すことができます。万一の破損の責は負えませんが・・・。

とは言え、ジョイナーは万能ではない

ジョイナーは、あくまでもユニトラック同士を確実に通電状態で接続するための部材です。ジョイナーにはフレキシブルレールの反発を押さえ込むほどの保持力を期待しないのが無難です。

特に、ユニトラックと固定式レールの相互接続の場合、ユニトラック側のレールが成型済み状態で道床にしっかり固着されているがゆえに、固定式レール側がその反動で全ての応力を背負い込むことになります。これに適切な処置を施さないと、相互接続部が脱線多発地点になる場合があります。

 

<相互接続部の問題点>

 

レイアウトベース面積に余裕があるのであれば、曲線区間からユニトラックに直結するのではなく、固定式レールで少し直線区間を作って、それをユニトラックにつなぐという解決策もありですね。

上掲図は、ユニトラックと固定式レールの相互接続部を模式化したものです。●は釘で固定した部分と考えてください。この場合、固定式レールには赤い矢印で示した反発力が常に働いています。ジョイナーにこの反発力を押さえ込むほどの保持力がないため、接続部ではユニトラックレールに対して固定式レールが斜めに差し込まれることになり、これが脱線の原因になります。

 

<これに対する対抗策>

 

これに対抗するために、上掲図ので示した釘をレールを外へ向かって押すように打っておくのが効果的です。これにより、レール端の外へ向かう反発力が相殺され、安定走行を得ることができます。

 

<実装例>

 

上写真は実装例です。黄色い丸で囲んだ部分にレールを外へ反らすための釘が打ってあります。これでも、ジョイナー部で若干固定式レールが斜めになっているのがおわかりいただけると思いますが、この程度であれば脱線は発生しません。

 

オマケ:ジョイント通過音にこだわる?

フレキシブルレールを敷設した経験のある方はおわかりかと思いますが、フレキシブルレール上に初めて車輌を走行させると、何かが物足りないように感じることがあるのではないでしょうか。

ほぼ等間隔にジョイント部が繰り返される道床式レールに対し、フレキシブルレールは理論上はエンドレールループ内のジョイント数を最低1つにできます。この結果、車輌がジョイントを通過する際の「コトン」という音が極めて少なくなります。

これは好みの問題かと思うのですが、リアル鉄道の「ガッタンゴットン」音に相当するこのサウンドが失われるのがイヤだ、という向きもおられるでしょう。とは言え、フレキシブルレールを寸断してジョイントで繋ぐと、ここまでにもふれたレールの反発力がより顕著な問題となってしまいます。

これは ghost 自身も施工していないので「案」でしかないのですが、以下の方法で、フレキシブルレールでもジョイント通過音を発生させることができると思います。

 

1.固定式レールから枕木パーツを取り外す。KATO製品の場合、約800mmに対し枕木が3分割されていますが、より細かく切断しても良いでしょう。

2.枕木、ジョイナー、枕木、の順で再度取り付ける。

3.これを敷設する。

 

こうすることで、ジョイント通過音を得ることが出来るのではないかと思うのですが・・・これは、後日実際に施工して試してみようと思っております。

ghostは、ここに紹介した内容について、読者のお手元での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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