2008/10/13公開

コンセプト

経路長 本線ループ 約2,130mm

最急カーブ半径  243mm

タイトルがすべてを表している、と言ってしまえばそれまでですが、強いて小難しく表現するとすれば“デスクトップレイアウトの限られた面積の中に『鳥瞰』視点を持ち込む”が本設計における課題です。

どうしても平板な構成になりがちな小型レイアウトの世界に、立体的な躍動感を与えるにはどうすればいいか?(その実現のために、仮想鉄道模型を活用しよう)は、VRM→Nの通奏低音的テーマになっているのですが、そういう意味において今回のレイアウトプランは、VRM→Nの面目躍如なものになったと思っています。

 

デスクトップレイアウト設計代行依頼はいつでも歓迎しますので、お気軽にBBSメールでご相談ください。

<正面からの全体俯瞰>

全体としては上掲スクリーンショットに示したような、一部区間をトンネルで隠したシンプルなエンドレスループ構成になっています。

一般的に、小型レイアウトにおけるトンネルは、急カーブ区間を隠す意図や、同じ周回路を模型列車がグルグル回っている感じを緩和するために導入されることが多かろうと思われます。その結果、トンネル区間は、多くの場合、レイアウトボード奥手の左右の角地になります。

このプランでは、トンネル上部の山の斜面に沿ってレイアウトを見下ろす=鳥瞰するために山を作る、という本末転倒の着想から、その鳥瞰視点(ページ冒頭のタイトルスクリーンショット参照)を最適化すべく、山の高さとトンネル位置を決定しました。

ある視点からの見え方に対して最適化する、というアプローチは、VRMのような仮想鉄道模型を使って設計をおこなう場合の定石の1つと言って良いでしょう(下段へ続く)。

<レイアウト向かって左から、トンネル方向を見る>

そのため、全区間のおよそ3分の1近くが、レイアウトボードに比して大き過ぎの感もある山肌に隠れる結果となっていますが、これを所与の条件として、他の視点からも十二分に情景を楽しめるよう、調整を加えて仕上げました。

 

本館“VRMovies”にて、このレイアウトから生成したVRM動画を掲載しておりますので、合わせてお楽しみください。

 

(上段より)つまり、リアル模型では不可能なレベルの修正を繰り返しながら、自身の理想とする情景を追求してこそ、仮想鉄道模型を活用するコストがペイされるのです。

使用部材例

メーカー 部品名 数量
TOMIX S99 3
TOMIX C243-45 7
TOMIX C280-45 1
TOMIX C541-15 2
TOMIX 単線架線柱近代型 7
TOMYTEC 街並みコレクション−角屋(雑貨店) 1(※1)
TOMYTEC 建物コレクション−農家 1(※2)
KATO ガードレール 適量
GM 単線トンネルポータル非電化 2
GM 踏切 1セット
GM 三燈式信号機 1
GM トイレと物置 1(※3)
津川洋行 電柱 適量

左記数量は一部の例外を除いて部品の実点数です。パッケージ数ではないことにご注意ください。

植生素材やフィギュアの類はリストアップしていません。

 

 

※1 築堤手前の建物用。必須ではない。

※2 ループ線内農家用。製品に付属するベース面は設計上のスペースに対してやや大きいので、建屋部分のみ利用する想定で。

※3 物置のみを水田地帯の建物に使用。

 

川を跨いでいる二本の橋(鉄橋と、木造人道橋)は、いずれも上掲部材上はカウントしていません。

特に、鉄橋の方はVRM上では比較的ディテールの細かいVRM4第6号所収「餘部鉄橋プレート」から流用しているため、コレを再現せなばならない、と考えるとしんどいと思われます。ガーダー橋でなくとも、たとえばレンガ橋等であれば紙粘土等の素材で簡単に作れますので、その辺は柔軟に考えてください、もし施工に挑戦されるのであれば。

 

設計図

より詳細な図面をご希望の方はご相談に応じますのでこちらにご一報ください。

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<レイアウター図面>

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<トラックプラン図>

川のの掘り込みのために、発泡スチロール板等で線路面をを40mm嵩上げすることを前提としています。川底がベースボード面となり、築堤内部の水田地帯は対ベースボード比20mmです。よって、施工の手間を考えると、20mm厚発泡スチロール板の積層が妥当かと思われます。

 

下掲載ワイヤーフレーム画像は、見易さのためにネガポジ反転をしています。VRM本来の画像は、黒地になります。

<ワイヤーフレームビュワーで見たシナリー構造>

“峠道”のある部分は、設計上は対ベース比270mm(対線路面比230mm)です。これは実寸換算すると、線路と峠道の高低差が34m強、ということになるのですが、冒頭のスクリーンショットに示したように、シミュレーション上はもっと高低差があるように見えます。さらに、実施工の暁には焦点距離による遠近感が加わるため、高低差はさらに強調されるものと期待されます。

<トンネル上部のシナリー構造>

山の最高地点はレイアウトの右奥手で、設計上は対ベース比320mmです。

完成予想図

<山陰で途切れる川>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒頭の俯瞰画像を参照していただければわかるように、レイアウト左手前から伸びる川は、奥手のトンネルポータルの足下までしかない。

本設計では、レイアウト右手の山肌の一部を奥手のトンネルポータルを手前から隠すよにせりださせているが、これが川の終端部を隠す役割も兼ねている。

 

この結果、鉄橋下から覗き込む視線で見ても、途切れている川がまるで築堤に沿ってどこまでも伸びているような錯覚を与える。

小型レイアウトにあっては、こうした大胆なデフォルメと、それを巧みに隠す工夫がツボであると常々思う。

 

 

 

水田越しの築堤区間>

 

 

峠道からの鳥瞰視点から見た場合、建物が多いと、どうしても実際にはさほどの高低差がないことが目立ってしまうので、レイアウト中央部は、敢えて水田として背の高い構造物を避けた。

部材例ではGMの物置(床面積24×48mm)をピックアップしているが、スケール違いのさらに一回り小さいものを配して、遠近感をさらに強調するのも一興ではある。

エンドレスループの内外をつなぐアプローチ>

 

施工上必須とは思わないが、築堤内部の世界が外と孤立して見えないように、踏切とそこから築堤内の農家へのアプローチにはこだわってみた。

施工に際しては、現物合わせで発泡スチロール板から切り出すのがお奨め。想像するほど難しくはない。

<仰角で見てもレイアウト内に背景物がある>

 

前段の踏切から、レイアウト手前方向に世界が広がっていることを表現すべく、築堤手前のスペースに敢えて一軒建物を配し、踏切からは斜面の道路をつないでいる。

このアングルから見ると、背後に峠道を要する山肌を背負うことになり、なかなかに具合がよろしい

デスクトップレイアウトでは、築堤化によって見上げる視線を確保しても、その背景を得ることが難しいので、これは嬉しい誤算と呼ぶべきか。

ghostは、ここに紹介したレイアウトプランについて、その施工実現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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