2008/08/15公開

コンセプト

経路長 本線 約3,900mm

最急カーブ半径  249mm

最急勾配率 約4.6%

VRM→Nご意見箱にて、チベット高原さんより承ったリクエストと、前作テーブルトップブリークのトラックプランコンセプトを融合させたプランです。

600×900mmの市販レイアウトボードを2枚長手方向に連結した600×1,800mmのスペースに、手前側で大きく内側へと抉れるエンドレスループを有する点が前作と共通する一方、立体交差を廃して余る手前の空間に、駅の前景となる機関区を配しています。

 

デスクトップレイアウト設計代行依頼はいつでも歓迎しますので、お気軽にBBSメールでご相談ください。

<正面からの全体俯瞰>

エンドレスループは奥手に向かって緩やかな上りとなり、駅部分とは35mmの高低差を有します。

チベット高原さんより、「鉄橋を組み込みたい」旨のリクエストがあったため、これを受けて、本来の基準面となる駅をベース面から更に20mm嵩上げし、これに前述の35mmを加算して、水面から計55mmの高低差を鉄橋に与えてみました。

トラックプランとしては平板なものながらも、全体の情景としては立体感を与えることに成功しているのではないか、と思います。

 

逆に言えば、川は要らない、鉄橋下高低差は30mm強で気にならない、ということであれば、全体の20mm嵩上げは必要ありません。

<左/川を渡る鉄橋側からの眺め>

逆サイドは、同じくチベット高原さんの「トンネルも欲しい」旨の要望を受けて、前作同様に、一方のみにトンネルポータルを配し、もう一方は山の裏側で誤魔化す手法を採用しています。

この手法は、限られた面積の中において、閉塞感を醸しだすことなくトンネルを実装する際に有効であると考えられます。また、模型列車が山影へと隠れていく様は、奥行きを強調する効果も期待できます。

 

本館“VRMovies”にて、このレイアウトから生成したVRM動画を掲載しておりますので、合わせてお楽しみください。

 

 

 

この手法は実装例を自身で紹介できていないので、やや机上論の感もあるのですが、まぁ、そのうち暇を見つけてやってみましょう。

<右/トンネル側からの眺め>

使用部材例

本プランは、チベット高原さんの要望に従い、KATOユニトラック規格に準拠して組成しました。

当Webの過去の同種の試みは、VRM4標準のI.MAGiC規格線路(基本直線128mmでループを組むとユニトラックより一回り大きくなる)を使った近似だったのですが、今回はフレキシブルレールをフル活用し、ユニトラック規格への完全準拠を目指しました。

 

ユニトラック規格の曲線半径に準拠したフレキシブルレールとして、zio氏の手になるIFLX-128KATOに助けられました。zio氏に多謝。

メーカー 部品名 数量
KATO S29 1(※1)
KATO S62 4
KATO S62F(フィーダー) 1
KATO S62B(エンドレール) 4
KATO S124 7
KATO S248 4
KATO R249-15 3
KATO R249-45 7
KATO R282-45 2
KATO R481-15 4
KATO P481-15L 3
KATO P481-15R 2
KATO デッキガーダー鉄橋124mm 2
KATO ローカル駅舎セット 1
KATO ローカルホームセット 1(※2)
KATO 鉄道官舎 3
KATO 給炭・給水セット 1(※2)
KATO 木造機関庫 1
KATO ガードレール 適量
TOMIX 信号所 1
TOMIX 近郊住宅 2
TOMIX わらぶき農家 1
TOMIX アパート 1
TOMIX 商店 1(※3)
TOMIX 角店 2(※3)
TOMIX れんが橋脚 1(※4)
GM 踏切 1セット
GM 単線トンネルポータル非電化 1
GM 電柱 適量(※5)
津川洋行 腕木式信号機2 3
津川洋行 電柱 適量(※5)

左記数量は一部の例外を除いて部品の実点数です。パッケージ数ではないことにご注意ください。

植生素材やフィギュアの類はリストアップしていません。

※1 端数線路セット所収。

※2 数量はパッケージ数。適当に部品を見繕って使うことを想定。

※3 トミーテック「街並みコレクション」の使用を推奨。

※4 デッキガーダー橋したの橋脚として。自作した方が良いかも。

※5 GM電柱は街中の、津川洋行電柱は線路際の通信電柱を想定。

 

設計図

より詳細な図面をご希望の方はご相談に応じますのでこちらにご一報ください。

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<レイアウター図面>

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<トラックプラン図>

前述したように、レイアウトボードは強度維持のための土台と割り切り、実際の情景は、ボード上に20mm厚の発泡スチロール板を敷いてその上に作ることを前提としています。

給電については、トラックプラン図右上のS62F一箇所からで十分だと考えていますが、電圧降下が不安な方は、駅直線部に極性を同じくしたフィーダーを追加するのも一案です。

完成予想図

<駅の情景>

 

 

表題にも示したように、本プランの肝は、レイアウトのほぼ中央に駅を配置し、外から見る視線では、駅に対して前景となるヤード/機関区がある点。

 

たとえば下スクリーンショットでは、引き込み線にワム2両を留置しているが、これが奥へ向かう視線を遮ることが、結果的に駅の情感を高める。

給水塔(下図右方)や信号所(同左)も同じ意図で配置している。細部を変更して施工する場合も、この考え方さえ外さなければ、同様の視覚効果が得られるはず。

 

 

 

 

<ベース面に水平な視線で列車の周回を見る>

<川筋から鉄橋を眺望する>

 

手前のれんが橋は、洒落で加えたもので、施工に際しては紙粘土等で自作するほかないだろう。

奥手の鉄橋だが、依頼者リクエストに従ってデッキガーダー橋を配したが、後ろの空間が大きく開いているため、トラス橋の方がしっくり来るようにも思っている。以下、比較画面(クリックで拡大表示)。

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あるいは、背景画をレイアウトボードの向こうに配することで、印象が変わると思われるが、これについては本稿では敢えて検証はしない。

駅前の街並み>

 

 

 

前述したように、本プランは駅構造から手前の前景(機関区)が肝なので、裏手となる街並みは、低密度過ぎないようにだけ配慮した控え目なものとした。

これは、本プランが非電化時代をイメージしたがゆえでもあるが、もし手前ヤード部を電車区と見做すのであれば、レイアウト奥手築堤部への視線を遮るビルをいくつか配した方が、その雰囲気が出ると思われる。

 

レイアウト左手勾配部>

 

このサイズ(定尺以下)のレイアウトにあっては、エンドレス完結のための急カーブを、如何に目立たなくするか、同時に情景として活用できるか、が全体の構成を左右するポイントだと考えている。

左例では、敢えて前景(水田、川)には視線を遮るものを置かず、その代わり、走行編成はチラ見え程度となるように、シナリーと植生で対処してみた。

これにより、駅からの上り勾配と、奥手の築堤部の間に情景のゆるやかな断絶が起こり、限られた周回路をグルグル巡っている感がささやかながら和らぐことが期待される。

レイアウト右手勾配部>

 

 

逆にレイアウト向かって右手では、複線機関庫がトンネルへのアプローチを遮っている。

すなわち、運転ポジションからは、築堤から山陰に消える列車と、トンネルを出て駅前へ下ってくる列車は、一瞬だが完全に視界から消える。

 

経路長の限られたエンドレスでは、2つある180度カーブの処理ポリシーを揃えない(本作では、チラ見え、と、完全遮蔽、がペアになっている)のは、セオリーの1つと言ってよいのではなかろうか。

ghostは、ここに紹介したレイアウトプランについて、その施工実現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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