2007/11/29上梓


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その11:築堤を作る

前回、ベース面に対してレールに高さを与えました。この結果、VRM的には問題ありませんが、リアル鉄道模型(ビネット)的には物理的にあり得ない状態になっています。

<物理的にあり得ない状態>

この状態を補正するには、VRM4第5号収録の築堤部品が便利です。本稿では、築堤部品の基本的な使い方を解説します。

I.MAGiC規格線路に対しては、それぞれのレールの長さに合致する築堤部品が用意されていますが、このビネットではフレキシブルレールを使っているので、築堤についてもフレキシブル築堤を使います。

築堤部品を使わずに(つまり、VRM4第5号を買わずに)築堤っぽい地形を作る方法は、気が向いたら後日解説します。

<フレキシブル築堤をレイアウトウィンドウにドロップする>

フレキシブルレールと同じ要領で築堤を曲げて、それぞれの端が既設のレールの端と合うようにします。

ここでは1つの「築堤A-F256」、つまり256mm長のフレキシブル築堤を使っていますが、レール長/カーブ半径と一致する築堤部品(I.MAGiC規格に対しては一通り揃っています)を使っても構いません。

築堤部品は、高さ設定済みのレールと端をそろえてやれば、自動的にレールと同じ高さ(つまり、線路を物理的に支えるのに自然な高さ)が設定されます。

この状態をビュワーで見ると以下のような感じになります。これで線路が宙に浮いている状態が解消されました。

<築堤が出来た>

VRMの築堤部品のポリゴンは、両端が開構造(見た目上、蓋がされていない)になっています。作業として必須ではありませんが「築堤A-橋台32mm」でこれを塞いでおくことにしましょう。

<両端に蓋をした>

左レイアウトウィンドウ画面で、白色表示されているのが、追加した「築堤A-橋台32mm」です。

配置に際しては、レール部品同様にジョイントによる吸着が発生しますので、それに任せてドロップすれば自動的に接続され、かつ、高さも設定されます。

ただし、フレキシブル築堤に接続する場合は、水平方向の角度を微調整してやらないと、隙間が空いてしまうことがあるので要注意です。

 

 

ビュワー画面で見ると、若干築堤の端がベース面からはみ出しているのがわかります。

これは、VRMの築堤A部品が垂直な壁構造をもたないためで、ビュワーの見た目上でベース面内に収めようとすると、上部構造=レール/築堤長が、逆に本来構築可能なベース面よりも小さくなってしまいます。

築堤の高さの微調整

以下、ビネット設計としてはあまり重要ではない話です。

前段で述べたように、VRMの築堤部品は既設のレールに対して自動的に高さが設定されますが、VRMユーザーの間では、この高さが若干低いのではないか、と言われています。

VRMは、フレキシブルレールを扱えるとは言え、基本設計思想において、道床付き組み線路を使うことが前提になっています。

 

ここまで明言していませんが、VRMの世界における「レールの高さ」とは、道床付き組み線路の「設地面」の高さです。

これに対し、レール踏み面の高さ、つまり、模型車両の車輪がレールに触れる部分の高さは「レールの高さ+6mm」になります。

 

VRMが自動設定する築堤の高さが低く感じられるのは、サブテレインのような構造の上に、道床付き組み線路を取り付ける状態を模しているためと考えられます。

これを補正すべく、少なくないVRMユーザーは、自動設定された築堤の高さに対し、+2〜3mmの高さ相対移動をおこなっているようです。

以下にその手順を示します。と言っても、前回解説したレールの高さを一気に上げる方法、と基本的には同じことをするだけです。

<築堤部品を高度固定設定して・・・>

<相対数値移動する(上例は+2mm)>

こうすると、築堤が競り上がり、先のビュワー画面でやや目立ち過ぎの感があったレールの道床部分が築堤に埋まって、いい具合になります。

<道床が築堤に埋まった>

リアル鉄道模型における実装を考えた場合、フレキシブルレールと言えども、そのレール幅を均一にするために取り付けられている枕木部分の厚みがあるため、接地面に対するレール踏み面はある程度の高さを有します。

 

よって、左スクリーンショットのような模型実装を最終的に完遂するには、(1)VRMの言う「築堤の高さ」よりも若干低目の路盤構造を作る、(2)そこにフレキシブルレールを固定する、(3)バラストを散布して、その厚みでもってVRMのいう「築堤の高さ」に合わせる、という読み替えが必要になります。

 

僅か2〜5mm程度の誤差ではありますが、ビネットのような小品の場合、以外にこのくらいの誤差が見た目に大きく影響しますので、注意が必要です。

些細な変化ではあり、VRMをリアル鉄道模型レイアウト設計に利用する際にはどうでもいいことではありますが、ネット上で活動するVRMユーザーの間では既に常識的なテクニックとなっているようなので紹介しておきます。

まぁ、好みの問題だとは思いますが。

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