2007/11/24上梓


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その10:勾配を作る

線路に高さを与え、列車を持ち上げてみましょう。

VRM4では、線路に高さを与えるには、(1)レールのジョイント部に橋脚部品を配置する、(2)レール部品の〔オプション〕から直接高さを指定する、の2つの方法があり、それぞれに一長一短があります。

本稿では、より細やかな設定をおこなうことが出来る(2)レール部品の〔オプション〕から直接高さを指定する、を紹介します。

線路全体を持ち上げるところから始めましょう。まず、対象となるレール部品すべてを選択します。

<レール部品を選択する>

[Shift]キーを押しながらレイアウトウィンドウ上の部品を次々とクリックしていくと、それらの部品すべてをまとめて選択することが出来ます。選択された部品は白色表示に切り替わります(上掲画面参照)。

この状態で、選択された部品にカーソルを合わせてポップアップメニューを呼び出すと、選択した部品すべてに対してポップアップメニューの機能を発動させることができます。

ここでは〔高度固定設定〕を選択します。この操作をおこなわないと、数値直接指定で高さを与えることはできません。

続けて、ポップアップメニューの〔数値移動〕を選択すると、上に示した相対数値移動ダイアログが表示されます。この機能を使うと“相対移動”の名が示す通り、部品の現在位置に対して、その場所(水平移動)や向き(回転)、そして高さを数値で変化させることができます。

ここでは、高さに“30”と入力し、〔OK〕をクリックします。これで、線路が地面に対し30mm持ち上がりました。ビュワーを起動して見てみましょう。

<線路と列車が30mm持ち上がりました>

この状態で、レール部品の〔オプション〕を見ると、以下に示すように「高さ」の欄に30に変わっています。

つまり「相対数値移動」は、オプションに表示されるこれらの数値に対し、加減算をおこなう機能だ、ということです。

 

レールと、その上に載っている列車が、地面に対して30mm浮き上がりました。VRMの世界には、いわゆる“重力”に相当するものがないので、このように、下に支える構造がなくても、部品を宙に浮かせることができます。

もちろん、これでは変ですから、後で線路の下の地面(築堤)を作ることになりますが、これは次回に解説します。

レール部品に傾きを与えるには?

この時点で、レールは持ち上がってはいますが水平を保っています。“勾配”、つまり“傾き”を作るには、もう一手間が必要です。

<傾いているレールの〔オプション〕>

VRMの世界では、水平に対して傾いている部品というのは、〔オプション〕にある2つの高さがズレていることを意味しています。

2つある高さの上の方は“正方向”側のレールの端の高さを、下の方は“逆方向”側のレールの端の高さを示しています。これが同じであればレールは水平ですし、これが異なると水平に対して傾くことになります。

レール部品の“正方向”と“逆方向”の見分け方については、前回を参照してください。

つまり、(高さを直接指定して)勾配を作る、というのは、すべてのレール部品の〔オプション〕の高さ欄に、チマチマと数字を入れていく、という面倒な作業になります。

たとえば、以下に示すような高さをレール部品のジョイント部に設定していくとしましょう。

<20mmから始まって、一番奥で33mmまで登る>

この場合、3つあるレール部品それぞれの〔オプション〕は以下のようになります。

<高さの欄に注目してください>

1つ目の〔オプション〕の下の高さ(逆方向側の高さ)と、2つ目の〔オプション〕の上の高さ(正方向側)が同じですね。これは、この2本のレール部品が同じ向きを向いている場合、高さが揃ってちゃんと繋がっていることを意味しています。同様に、2つ目と3つ目もつながっています。

これをビュワーを起動して見てみると、こんな感じになります。

<勾配をつけてみた例>

どのくらいの勾配までならアリなのか、は、少なくともビネットについては、銘々の好みかと思われます。

一方で、模型車両の走行を前提としたレイアウトの場合、一般にNゲージ鉄道模型の許容勾配は5%程度、つまり、100mmの経路に対して5mmの高低差、と言われていますから、この範囲におさまるようにすべきです。

 

ちなみに、このビネットの場合、高低差13mmに対し、経路長は310mmですので、勾配率は約4%となります。

微妙な変化なので、このアングルからだと、さきほどの水平30mmの場合とどう違うのかわかりにくいですね。視点を変えて比較してみたのが以下に示すスクリーンショットです。

<上:水平30mm/下:22mm〜37mm勾配>

この作例では、モーター車(Re460)の自重で滑り止めすることを前提としています。

当たり前のことですが、トレーラ車のみを飾るビネットでこんな勾配を設けると、車両が滑走して、適切な車止めをしていなければ、最悪ビネットから飛び出しますので気をつけましょう。

レールの高さを直接指定するときの注意点

隣接するレール部品のジョイント部の高さが揃っていれば、首尾よくVRMビュワーを起動することができます。が、もし、これがズレていると・・・

<レールの高さがズレているときのエラー>

このようなエラーレポートが表示され、VRMビュワーを起動することができなくなります。

もちろん、この後、然るべく高さを修正すれば再びVRMビュワーを起動できます。上の例で[63]とあるのは、部品のレイヤーパレットに表示される部品の管理番号で、これを頼りに探せば、問題のあるレールを見つけるのは困難ではありません。ただし、面倒です。

部品の管理番号については第5回の欄外注を参照されたし。

このような事態を避けるには、〔オプション〕に高さの数値を入力する毎に、レイアウトウィンドウ上に示される“高さのズレの警告”を見逃さないのが肝要です。

<高さがズレている警告の×印>

個人的には、現行VRMのレールの高さの指定方法は、万人にやさしいとは言いがたいと思います。

特に初心者の方は、VRMの操作に慣れるまでは平坦な線路からなるレイアウトで練習を積んだ方が無難です。

勾配区間を含むレイアウトは、十分にVRMの扱いに慣れてから挑戦した方が良いでしょう。

隣接する部品の高さがズレている場合、上に示したようにジョイント部分に赤い×印が表示されます。これが表示されたということは、入力した高さが間違っていたか、あるいは、上/下の高さ欄を入れ違えたかの、どちらかであると考えられます。

この時点で速やかに数値を修正すれば、ビュワーが起動しない段になって慌てて修正すべき箇所を探す、という面倒を避けることができます。

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