2007/11/08上梓


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その6:ストラクチャを置く(前編)

一般に、リアル鉄道模型レイアウト作りには、その施工順序に一定の制約があります。模型列車の走行を確実にするには、レールは各種のストラクチャ(建物)に先立って敷設する必要があります。また、レイアウトボードに直接レールを敷くのでなければ=高低差のある築堤を設けるのであれば、その路盤整備をレールの敷設に先行しなければなりません。

施工技術の工夫(部々分々のユニット化等)によって、そのような制約を回避することが出来ないワケではありませんが、そのような工夫は一般的なものにはならないでしょう。

VRMには、そのような制約が基本的にはありません。VRMレイアウター/ビュワーの仮想空間では、重力や物体同士の衝突がありません。また、一旦レイアウトボード上に配置した部品を、自由気ままに移動させることができます。

このため、VRMにおけるレイアウト設計は、リアル鉄道模型レイアウトの施工に比して、その手順の自由度が極めて高いものになります。

本連載においても、そのメリットを活用すべく、路盤の整備やレールの敷設に先立って、ストラクチャの配置をおこなうことにします。

これは単にVRMの機能のデモンストレーションであるだけではありません。今回製作するビネットは、あらかじめ使用する部材を決めています。特に、レジン製の城郭は、レイアウトボードに対してかなりの面積を占有しますので、あらかじめその設置場所を確保し、それに干渉しないようにレールを敷設していこう、という作戦です。

これもあくまでも一般論です。物理的制約の有無、という観点から言えば従うべき作業順序はVRMには存在しません。

が、作業効率の観点から考えた場合には、ある種の“定石”とでも呼ぶべき順序はあります。が、本連載では、効率を無視し得る小品=ビネットを扱っているので、そこまでは踏み込みません。

<今回使用する部材たち>

左写真には写っていませんが、線路はKATOのフレキシブルレールを用意しています。

本題に入る前に、VRMにおけるストラクチャ配置の一般的な手順を確認しておきましょう。

基本は前々回におこなったレールの配置と同じです。パーツウィンドウから部品をレイアウトウィンドウに向かってドラッグ&ドロップし、ポップアップメニューを使って好みの角度に回転させる、ただ、それだけです。たとえば・・・

<TOMIX木造跨線橋を置いてみた>

上掲レイアウター画面は、前回仮に車両を置いてみた状態のレイアウトに、「TOMIX木造跨線橋」をドロップし、車両と平行になるように回転させてみた状態です。ビュワーを起動すると、以下のような状態になります。

<ビュワーで見てみる>

厳密に言うと、VRMの「TOMIX跨線橋」は、自動的にホーム分の高さだけ地面から浮き上がるように設定されています。

左写真では、地面に接地させるため高さを下げています。

実物でも同じことをしてみたのが下の写真です。

VRMは、TOMIX(株式会社トミーテック)製のレール/ストラクチャを正式にサポートしているため、同社製品を使用する限りにおいては、ビュワーが描き出す像はほぼ正確に実物と合致します。

<実物でもやってみた>

無理矢理ストラクチャ

本連載で扱うビネットの主役(?)ストラクチャは、百円均一の店で衝動買いしたレジン製のお城です。当然のことながら、こんな部品はVRMのどのパッケージも収録されていません。

このようなVRMでサポートされていないストラクチャ/アクセサリを含むレイアウトを設計する場合、サイズや形状の似たVRM部品があればそれで代用することになります。そして、サイズも形状も近似するVRM部品がまったくない場合(まさに、このお城がそうです)は、これを無理矢理作って対応します。

以下、その作業の例を示します。VRMユーザーの間では、このテクニックは“無理矢理ストラクチャ”と呼ばれています。

“無理矢理ストラクチャ”は、古参のVRMユーザーこてつ氏によって提唱された概念で、以降、多くのVRMユーザーがそれに倣い、様々な作例を発表してきました。

残念ながら、こてつ氏は既にインターネット上のVRMの世界から勇退されて久しいです。氏の人となりはこちらの拙稿から偲ぶことができます。

はてなブックマークの[無理矢理ストラクチャ]タグページを参照すると、そのような作例をたくさん辿ることが出来ます。

材料に使うのは、「TOMIXれんが橋脚」です。お城の石造りの質感を、れんが橋脚のそれで代用しよう、という作戦です。

<ビュワーで見たTOMIXれんが橋脚>

とりあえず、レイアウトウィンドウに「TOMIXれんが橋脚」を1つ置いてみましょう。ビュワーを起動し、部品の間近まで寄って見てみると、上掲スクリーンショットのような見た目です。

VRMの橋脚部品には、他の部品にはない特別な機能があります。

<ポップアップメニューから高さを変える>

掲載の都合上、下の方が切れていますが、実際には5mm〜110mmの範囲で5mmごとに高さを設定することが出来ます。

 

なお、橋脚自身の高さとは別に()に括られた3mm増しの数値が見えますが、これはこの橋脚の上にレール部品をおいた場合、その底面が橋脚の足元からどれだけ持ち上がるかを示す値で、特にTOMIX製品の場合は、いわゆる「カップリング」や「スペーサー」の厚みに相当するものです。

本連載ではTOMIX FineTrackレール製品を扱わないので、これについては詳述を避けます。詳しくは製品付属のオンラインマニュアルを参照してください。

橋脚部品のポップアップメニューは、他の部品のそれよりも、やたらと縦に長くなります。ここに、5mm単位で数値が並びますが、これは橋脚の高さを示しており、ポップアップメニューから任意の高さを選択することができます。

上例は〔30.0mm〕を選択しつつあるところですが・・・

ここでマウスの右ボタンから指を離すと、部品の下に選択した高さが表示されます。これで、この「れんが橋脚」には30mmの高さが設定されたことになります。これをビュワーで見てみると・・・

<橋脚の背が伸びた!>

上掲スクリーンショットのように、さきほどにくらべて橋脚の背丈が高くなったことがわかります。

さて、ここで選択した30mmは、レジン製のお城の手前側のテラスの高さに合わせています。ちなみに、主塔部分は80mmの高さがあります。30mmの橋脚と、80mmの橋脚を適当に並べてやれば、かのお城と似たようなサイズ・形状の何物か、を作ることが出来そうです。

 

以下、後編へ続きます。

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