2005/05/10

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架線に挑戦してみた

決して心酔したり崇拝しているわけではないが、漫画家であり鉄道模型評論家としても有名な水野良太郎氏のレイアウトに関する言説はなかなか魅惑的である。かく申すghostも氏の手になる「鉄道模型を愉しむ」を何度も読み返したクチだ。上下巻(厳密には総合編と実践・応用編)を通じて繰り返し言及され、また、氏のRMM誌の連載中にもしばしば登場するのがレイアウトにおける架線のお話。

実のところ、ghostの個人的な嗜好から言うと、レイアウトへの架線敷設についてはどちらかというと否定的である。架線集電するにせよダミー架線でいくにせよ、車輛を線路上から取り除くことが前提となる鉄道模型レイアウトでは、架線は思わぬトラブルの原因になる可能性が高い。また、レイアウト自身のメンテナンスについても過剰な負荷の一因となろう。運転を気軽に楽しむレイアウト、末永く楽しむレイアウト、という観点からすれば、架線表現のオミットは罪ではないと思う。

一方で、水野良太郎氏も指摘しておられるように、欧州の鉄道模型誌を飾るレイアウト作例はことごとく架線が実装されているのも事実である。そして、文句なしに格好良い。日本のファンのセンスは眠ったままだ(前掲書より趣意)、と嘆く氏の気持ちもわからないでもない。が、架線を敷設していないレイアウトに電気機関車を走行させるのは模型に対して失礼だ(同)、とまで言ってしまう氏のスタンスはやや行き過ぎのようにも思う。まぁ、これは氏独特のユーモアなのだと信じたい。

 

理解に苦しむのは、氏自身架線を張っていないレイアウトに電気機関車を走行させること。これに際し、氏はパンタグラフをたたみディーゼル機関車と重連にして「回送」設定とする、と前掲書に書いてある。なんだかなー・・・@

異なるスタンスを巡る火事と喧嘩は鉄道模型界の華なのだが、自分がやりもしないことを、自分がやらないことを正当化するためだけに非難するような言辞を目にすると、正直なところウンザリする。もちろん、これは自分自身にもあてはまる。水野良太郎氏の言説に違和感を感じ、それに物申さんとするのであれば、敢えて架線は敷設せねばなるまい。そうして初めて、そのメリット・デメリットについて論じる趣味人の末席に参加できようと言うもの。で、やってみた。

当初は「絶対にやらない、泥沼にハマるから」と思っていた車輛製作を手がけるようになったも同じ理由によります。そして案の定、泥沼です。落涙。

<架線製作中>

素材はBrunig Projectの余り物である0.5mm径の真鍮棒。明らかにオーバースケールだが、欧州鉄模誌所収の作例でもややオーバー気味の実装が普通のようなので、こうしてみた。

切断した真鍮棒を現物合わせ(架線柱位置)で波打たせて吊架線とし、これに水平方向の長さを合わせて切り出したトロリー線を並べ、左写真のようにテープで仮止めして縦線をハンダ付けた。かなり考証怪しげ。

これにメタルプライマーを吹いてからグレーで着色した。ビネットに対しては車輛へのアクセス確保のため敢えて固定せず、架線柱とトンネルポータルに設けた金具にひっかけて装備するようにした。

エンドレスレイアウト全体をこれで覆うとなるとちょっと鬱ですが、これくらいの長さならなんとか集中力が途切れる前に仕上げることが出来ました。で、これを取り付け、左手トンネルの中から線路方向を覗いてみます。

<おぉ!!>

トンネルの内側は、やはりBrunig Projectの余り物である客車内部の目隠しにつかったデザイン紙。

とにかく今回は徹底的にケチってみた。結局終わってみると、新規に購入したのはディスプレイボックスだけ。逆に言うと、これまで余計なものを買い過ぎてたってこと?

一瞬、架線のないレイアウトに電気機関車を置くのは失礼だ、という信念に憑かれそうになりました(汗)。憑かれずに済んだのは、この後、実際に車輛をおくのが存外に面倒だったから。パンタグラフたたんでてもひっかかるし、ウゼー。あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たず。

 

閑話休題。

最後に水面表現用の塩ビ板を挟んでビネット本体とベースとなるプラ板を接着。残りの小物も取り付けて完成となりました。ついでなんで、トワイライトエクスプレスでも置いてVRMによる設計と比較してみましょう。

正体不明の階段の下の方に何かいますが。

<けしからん釣り人>

これも第一期レイアウトの余り物。

余談ながら。

この釣り人を眺めながら妻の曰く。

 

妻:   この人たち、どこから入るの?

ghost: (防護壁の梯子を指差し)ココから。つまりこいつらはメンテナンス用の施設に不法侵入してるけしからん釣り人という設定。

妻:   梯子を降りてるときに列車が来たら死なない?

ghost: ・・・あ!?

 

お気に入りの角度。思わず職場のPCの壁紙に採用。

架線の存在感が強く感じらる構図から。若干架線の引っ掛け方がおかしいような気がするが、まぁいいや。

次回、涙なくしては読めない最終回。

マジ半分・ネタ半分です。きっとウソもいっぱい書いてます。そこらへん適当に読んでください、よろしく。

 


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