2004/03/19

前回の報告はこちら

フレキシブルレールに挑戦

いよいよ第二期施工部に着工しました。最初の難関は、ghost にとっては初体験となるフレキシブルレールの敷設です。さて、うまくいったでしょうか。

 

第二期施工部設計について書いた際も述べたように、現行のVRM3にはR243以下のカーブレールがありません。設計上、半径220mmを切るのが確実な地上線については、VRMレイアウター上で距離計測をおこないながら半径200mm くらいでレール敷設域を確保できるかどうか大雑把に検証したのみです。

 

<とりあえず現物合わせ>

 

余談ですが。

先週末、第二期施工部の部材を買いに行ったときの話です。いつもの模型屋さんでレイアウトボードの上に買い込んだレール群を置いて梱包を待っていたときのこと。

「それ・・・ホンマにそのボードの上に収まんの?」と、他のお客さんから興味津々に尋ねられました。たしかに、パッと見た感じ、600 x 900 mm に収まるような部材じゃないですから。何せ持ち帰りのために、昔オランダへ行商に行った際に購入した旅行バッグを持って行ったくらいですから。

で、嬉しがりな ghost は「鉄道模型シミュレーターってのがありましてね・・・」とここぞとばかりに薀蓄を披露しまして。すると、そのお客さんからも、これまた興味深いレイアウトに関する講釈を承り、楽しい一時を過ごした次第です。こういうコミュニケーションが生まれるのも、大手量販店にはない良さですね。

そこで、まずは買ってきた部材をボード上に並べて「現物合わせ」をおこないました。とりあえず、最初に心配していた「TOMIX複線高架脚の直下にKATOユニトラックを通過させる(上掲写真・中央下)」プランは問題なさそうです。

続いて、この状態のままとりあえず半径 200 mm のカーブ線を罫書きしてみました。なんとか高架橋脚と干渉せずにライン取りでしました。橋脚位置の微調整は必要になるでしょうが、少なくとも地上線が橋脚と正面衝突することはなさそうです。

お断り:

上掲写真の複線レールと複線高架橋脚の組み合わせ方は、デザインを優先し、本来の用法を無視しています。本来は、2本の複線レールの接続部をまたいで複線高架橋脚を設置するのが正のようです(カップリングの位置がそうなっている)。詳しくはこちらを参照。

VRMによる可能性検証と現物合わせ・・・とりあえず事前にやれることはやったのだ・・・と自分に言い聞かせ、思い切ってフレキシブルレールの敷設を開始します。

 

終わって振り返ると、自分で自分を納得させる理由が欲しかっただけのようにも思いますが・・・。

<コルク道床を敷設>

 

コルク道床敷設に先立ち、ユニトラック直線部の仮止めとポイント及びフィーダー直下の配線穴開けをおこなったが、雑多なので捨て置く。

今回、配線、特にポイント部の手間を省くために、地上線は KATO のユニトラックと固定式レール(フレキシブルレール)の併用を選択しました。この場合、レールの高さを揃えるために、フレキシブルレール下にコルク道床を敷いてやる必要があります。

「こんなやり方でいいのかなぁ?」と不安に思いつつ、コルク道床の曲線内側に切れ目を入れて曲がり易くしてから、先に罫書きした R200 ライン上に釘で固定してみました。とりあえず、良さげです。

良さげ・・・なので、この勢いでフレキシブルレールも張ってしまいます。やはり「こんなやり方でいいのかなぁ?」と不安に思いつつ、両端の長さに余裕を残してまず真中(カーブ区間の中央)を釘打ちし、両方向へレールを曲げながら進んで行きます。

ユニトラック線路との接続部は特にドキドキ。「フレキを切り過ぎたらどうしよう!?」と、ニッパーを持つ手も震えます。が、やってみると意外に楽勝。あっさりと向かって左側の R200(モドキ)カーブが出来てしまいました。

 

為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成せぬは人の為さぬなりけり・・・ムニャムニャ。

<フレキシブルカーブ敷設>

 

やってる途中で気づいたんですが、フレキをケチりさえしなければ、片側で多少切り過ぎても「レールを逆からズラせば」簡単に補填できるワケで、無駄なことにドキドキしたもんだなぁ、と自嘲。

もちろん、一方を切った後の反対側はドキドキではあるんですが、これも最初に長目に切って、少しずつ切り詰めていけば、そんなに心配するほどの作業じゃないんですね。

人間の心理と言うとは不思議なもので、作業をし始めるのに悶々としていたクセに、一旦やり始めて「あぁ、こういうモンか」と手が覚えると、今度は逆にピッチが上がるんですね、オレだけですか?。

逆側のカーブも仕上げた(=楕円エンドレスになった)時点で、とりあえず退避させていた高架部分を設置し、車輌の走行・通過テストをおこなってみました。

 

<フレキカーブ区間の上に高架を設置>

 

<DE10牽引の貨物列車が高架下を行く>

 

<複線高架橋脚の下もご覧の通り>

 

こう書くと、いかにも順風満帆に作業が進んだように見えますが、さにあらず。いろいろトラブルがありました。

 

レイアウト奥手の4番ポイントですが、左写真ではカーブレールと直結してますね。これ、後で出てくる全体写真では S621つ分だけ右へ動いてます。これは、いざ車輌を走行させてみたら、ポイント通過時に脱線しまくったから。カーブとポイントを直結すると、ミクロ的に見て無茶な曲率が発生する場合があるんだってコトを始めて知りました。

 

笑えたのは、やはりレイアウト奥手側の引込み線。フレキを挟んで引込み線を作ったはいいが、試運転してみるとフレキを通過した時点で車輌が止まる。訝しんでよくよく見てみると、ユニトラックレールをとっかえひっかえやってる間にジョイナー(ユニトラックレール同士をつなぐ部品)の金具部分だけ1つ脱落してどっかにいってて、そこで断電してやがるんだな、コレが。大慌てて釘抜いて補修。事なきを得る。

 

その他、細かい問題はいろいろありましたが、苦労の甲斐あって、左写真のように、とりあえず設計時にイメージしていた「高架下を通過する貨物列車」は満足のいくクオリティで再現できました。めでたし、めでたし・・・って、まだまだコレからやがな!!。

施工以来、いろいろとご助言をいただいているビジュアル系手放し運転派・はいでさんのWeb最小通過半径データベース情報から「DE10ならR200は余裕だろう」とタカを括ってはいたのですが、やはり自分で敷いたフレキシブルレールの上をスゥッとさしたる抵抗もなく通過していく姿を見ると、感動も一入で御座います。

しばらく悦に入って「試運転」と呼ぶにはかなりの長時間、このエンドレスにいろんな車輌を走らせていたのですが、フッ、と我に帰って、再び高架モノを取っ払い、残る引込み線も仕上げました。その結果がコレです。

 

手持ち車輌の通過成績については、はいでさんのWebのデータベースにご報告する予定なので、そちらでご参照ください。

<第二期施工部・最新の状態>

 

2つある引き込み線のうち、レイアウト向かって奥は併用軌道風に仕上げて路面電車用の停留場を設置予定。

手前はDE10+二軸貨車の待避線兼この線への車輌投入口。なんせ、高架・ストラクチャを敷設すると、このラインにはどこからも手が入りそうにないので、強引にこの引込み線を作った次第。

しかし、完成後にこの地上線で脱線が起きると復旧が厄介だな、掃除も面倒臭そうだし・・・。

高架部分を取り払うと、やたらショボく見えますが、まぁ、これからの進展にご期待ください。最初の一山を越えれたので、ヤル気満々です。勢い余って、いつの間にやらMODEMOのたま電デハ80が車籍に加わってるし。

 

<カーブ通過評価用に購入したデハ80>

 

左のキャプションは、見るからにウソ臭い・・・。

VRM3で高架線設計する場合の注意点

今回、ghostが施工しているのと同様の設計をおこなう方(が、そういるとも思えませんが・・・)のために、注意点を書いておきたいと思います。

まず「橋脚の場所」についてです。

VRM3では、橋脚を以ってレールの設置高度を決める仕様になっています。また、レールの設置高度を決める橋脚は、レールの接続部に配置する必要があります。このため、レイアウターの仕様に素直に従うと、例えば「45度カーブレール4本からなる区間=楕円エンドレスの片側」を、直線区間との接続部も含めて5本の橋脚で支えることになります。が、これはどう考えても強度不足で、重い車輌が通過する際に高架全体が傾く恐れがあります。

固定式レイアウトであれば、橋脚をレイアウトボードに固着することで耐えれるかも知れませんが、お座敷運転の場合は惨事を招く可能性もあります。

実際のTOMIX高架橋脚は、「カップリング」と呼ばれる接続部品を使って、高架部分の任意の位置(鉄橋・複線レールを除く)に取り付けることができます。VRM3は、TOMIX規格橋脚についてはその配置時の回転角度に特別に「22.5度」を設定することで、暗に「45度カーブレールに対し2本の橋脚の設置を推奨している」ように思われますが、少なくともビュワー上にレイアウトを展開するための必須要件ではないので見落とす可能性が大です。

そこでお奨めしたいのは、Nゲージレイアウトとして施工するレイアウトをVRM3でデザインする場合、レールの持ち上げはとりあえずすべて「透明橋脚」でおこない、物理的な橋脚の位置は、別途検討するという手法です。ただし、この手法は水平区間にしか用いることができません。現在施工中の当方レイアウトには勾配を伴う高架区間がないので、これについては現時点では言及を避けます。

もう1つは「ビーム橋脚」についてです。

高架下にさらにレールを敷く場合、橋脚との干渉を避けるためにビーム橋脚は必須となりますが、カップリングの取り付け位置に癖があり、注意が必要です。VRMレイアウターはビーム橋脚を「仮想橋脚」として扱い、自由な位置に配置できますが、これは実物の実装を反映していません。

 

VRM3でビーム橋脚を扱う際の注意点についてはこちらを参照。

実装が難しいのは百も承知ですが、こういう点をフォローできてこその「シミュレーター」かな、という気もしますので、I.MAGiC様におかれてはご賢察いただきたいところです。

ghostは、ここに紹介した内容について、読者のお手元での再現性をいかなる場合においても保証いたしかねます。ご承知おきください。

 


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